警備業法の一部を改正する法律案についての質疑 


  

●内閣委員会 

2002年11月14日 


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○田嶋陽子君

 無所属の田嶋陽子です。よろしくお願いします。
 このところ、警備員の人たちの姿はどこでも見掛けられるようになりました。人がいるところには必ずいるという、そういう感じです。犯罪が増加する昨今、警備員に対する需要は拡大していると思うんですが、この警備業というのは、昨年の七月に起こった明石市の花火大会帰りの歩道橋事件で責任を問われて大変注目を浴びました。この事故では、二百五十人以上の人が将棋倒しになって、十一人が死亡して、二百四十七人が重軽傷を負いました。
 この事件では、警備会社のニシカンというところが市からの警備を請け負っていましたけれども、このニシカンというのは、それまでの実績を見込まれていたわけなんですが、どういうことをしていたかというと、実際は花火大会以前に行われたイベント用に作成した計画書の丸写しを警備計画書として市に提出していたわけですね。そのことでも責任を大きく問われたわけです。
 そしてその後、反省した市は、二〇〇二年一月に明石市民夏まつり事故調査委員会がまとめたもので調査報告書を出しました。そこでは十八項目の再発防止策の提言を行っております。雑踏警備に関して次の四点を指摘しているんですね。一つは、雑踏警備に対する組織的な対応が必要だということ。それから、警察の指導、助言が必要だということ。それから、警備の指揮命令系統の一元化が必要だということ。それから、組織間の情報共有化が必要だということ。そう反省しているんです。ということは、そういうことがなされていなかったゆえにあれだけの、二百四十七人の重軽傷者、十一人の死亡があったわけですね。
 それに対して、瀬川局長にお伺いいたします。この事件の後、雑踏警備を行うに当たって、この報告書で示されたような提言は、警察と警備業者それぞれでどのように反映されているのでしょうか。



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○政府参考人(瀬川勝久君)

 警察庁におきましては、この夏祭りの雑踏事故の発生以降、雑踏事故防止の徹底が図られるようにいろいろ検討いたしました。都道府県警察に対しまして、事故防止上の基本の確認、雑踏事故防止に関する体制の確立というようなことを指示いたしました。また、適正な雑踏警備業務の実施について警備業者に対しても指導するようにという指導をしておるところでございますし、社団法人全国警備業協会に対しましてもそういった要請を行っております。
 今挙げられました事故調査委員会で挙げておりますその項目につきまして、私どもとしても十分参考にさせていただきました。基本的な事項といいますか、その項目につきましては私どもとも一致するところが多いわけでございますので、参考にさせていただいております。
 また、社団法人全国警備業協会におきましては、私どもからいろいろ要請したことを踏まえまして、いろいろ検討していただきました。今年の七月でございますが、「雑踏警備の手引」という基本的な資料を作成をいたしまして、警備業者に配付をしております。この言わばマニュアルでございますけれども、マニュアルと言っていいものだと思いますが、この内容も明石市の調査委員会の報告書も参考にしているというふうに聞いております。
 雑踏事故防止につきましては、警察といたしましては、やっぱり主催者ですね、何といいましても行事の主催者、それから警備業者はその主催者の委託を受けて実施に当たるわけでございます。こういった方たちとの連携というのは非常に重要だと思っておりますので、今後ともしっかりとした連携協力に努めてまいりたいと考えております。



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○田嶋陽子君

 よろしくお願いします。
 それで、この「雑踏警備の手引」という本ですが、ここでは、昨年七月に起こった明石市の事故のことからいろいろ反省をして、例えば警備員に関してもいろんな対応を書いているわけですね。この社団法人全国警備業協会の作ったこの手引書の中では、警備員は群衆の特性などを知らなきゃいけない、人は群衆になると個々である場合と違って思わぬ行動に出ることが多いからということで、群衆の特性を理解しておく必要があると、そういう教育面を書いているわけですけれども。
 確かに警備員が群衆の特性を知ることは大事なんですが、同時に、私から見ると、警備員になる人は特別な人というわけではないと思うんですね。やはり訓練を受けた人がならなければいけないというふうに思うんです。すると、その警備員自身が群衆を前にしたときに、人によっては大変な恐怖心を抱いたり自分をコントロールすることができにくくなったりする、そういう人もいると思うんですね。実際に、例えば機動隊であれば群衆と対峙するときのことで日々訓練を重ねていると思うんですけれども、そういう教育的な面から見て、瀬川局長は、実技を含めたトレーニングというものを一体警備員は受けているのかどうか、お伺いしたいと思います。



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○政府参考人(瀬川勝久君)

 この「雑踏警備の手引」に基づきまして、これは大変よく整理をしているものだというふうに私も読ませていただきましたが、警備業者において、特に雑踏警備等に主に当たることが多いような業者は、この手引に基づいて警備員に対する訓練を実施しているというふうに承知をしております。
 ただ、御指摘のように、群衆に対する警備員側の恐怖心といいますか、というのはなかなか難しい問題でございまして、正に御指摘にもありましたとおり、日ごろの訓練でありますとかいろいろな事例の研究、教養とかいうことが非常に大事だと思います。
 それからさらに、やっぱり現場の経験を踏むということがまた更に重要だろうと思いまして、そういった雑踏警備の経験を多く有する方たちによる指導というようなことがとりわけ重要ではないかなと思います。またさらに、現場におきましては、やっぱり指揮官による指揮統率ということがこの種業務の場合非常に大事だと思いまして、冷静沈着な現場における指揮統率というものが行われるかどうかということも大変大事な点だろうと思います。
 こういった点につきまして、個々の警備業者において、警備員に対する教育、あるいはその実際の実施の場面において適切な措置が取れるように、今後とも警察としても指導をしてまいりたいと考えております。



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○田嶋陽子君

 警備員の精神のよりどころといいますか、それは、いろんな訓練もありますけれども、一つは、どんな道具を持たされているかという、権利の問題もあると思うんですね。でも、警備員の場合は警察官のように逮捕する権利もありませんし、それから護身用具としていわゆる警棒しか持つことを許されていないわけですよね。ですけれども、この護身用具に関しては、公安委員会で認めている警棒以外のものを使いたいという要望も出ているそうなんですけれども、国家公安委員会では通達レベルでは見直すことも検討されているというお話も伺ったんですけれども、それはどのようになっているのでしょうか。



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○政府参考人(瀬川勝久君)

 警備業法を昭和四十七年に制定をされたわけでございます。そのときに護身用具についての考え方として、携帯する護身用具の種類ですとか場所、態様によっては、むしろ一般人に対していたずらに不安感を与えるというようなこともあるのではないかとか、それから他人を威圧するような事態を誘発するおそれもあるとか、そういったことをいろいろ考えまして、都道府県の公安委員会規則で護身用具の携帯を禁止あるいは制限できるということになりました。現状は、委員、今御指摘のとおりでございます。警棒以外にも、例えばヘルメットですとか、それから刃物に対処するための耐刃防護衣ですとか、そういったものも認められております。
 警備業の方々からの要望が出ているということは十分承っておりまして、現在検討しております。特に、犯罪情勢が凶悪化の一途をたどっておりますし、それから護身用具もいろいろなものが開発もされてきております。それから、警備業者の数が非常に増えているという御指摘も今回の御審議の中でいただいておるとおりでございまして、社会における警備業のいわば重要性といいますか、役割が増しているという状況でございます。的確な業務を遂行し、また警備員自身の安全を守るということも必要であるということを十分理解しておりますので、必要な護身用具を充実させる方向で検討してまいりたいと考えております。



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○田嶋陽子君

 その充実させるという方向は難しいですよね。最初におっしゃったように、なるべく相手を威嚇しないような道具を持つということと、それからできれば武器に相当するものは持たないで警備ができるような、いろんな知恵を使った、そういうような対応を私自身としては考えてほしいですね。その警棒以外に道具を増やさないで、知恵で何とかする方法をということを私自身は考えます。ですけれども、警備員の立場もありますし、またいろんな道具も出ていますので、その辺はよく考えて、よろしくお願いいたします。
 それから、警備会社で警備員を採用するわけですけれども、その安全を担保するために採用基準が厳しくなってきていると聞いております。また、先ほどのお話に出ましたように、警備業法によれば、前科を持つ人とか暴力団員とかアル中の人とか十八歳未満の人とか破産者とか、警備員になれないと定めているわけですけれども、三沢次長にお伺いいたします。
 その各会社で警備員の採用に当たっては、まず身分保証を求めるとか、親族への問い合わせをするとか、前職五年間さかのぼって勤務状態や精神状態を問い合わせると、そういう調査をしているということが全国警備業協会で言われているわけですが、あるんですけれども、そのことに関して問題はないのでしょうか。



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○政府参考人(三沢孝君)

 お答え申し上げます。
 私ども厚生労働省としては、労働者の採用に当たっては、その能力、適性に基づいて行われるべきだと、こういう考え方に立ちまして、事業主に対しまして、就職をめぐる差別、これを未然に防止する観点から、応募者の適性、能力を基準とした公正な採用選考を行うよう、常日ごろから機会をとらえて啓発指導を行っているということでございます。
 具体的に申し上げますと、一般的に応募者の親族や前の勤務先などに対して行ういわゆる身元調査につきましては、応募者の出生地や家族の状況など、応募者の適性、能力に関係ない事柄などを調査することに通じる可能性があるものですから、就職差別につながるおそれがあるというふうなことから、これを実施しないよう啓発指導を行っているということでございます。



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○田嶋陽子君

 ありがとうございます。
 それで、ちょっと時間がなくなっちゃったので急ぎますけれども、警備員のアルバイトをしている人の話を聞いたんですけれども、大変な重労働だということですね。それこそ宮沢賢治の世界で、雨にも耐え風にも耐え、そういうところで、例えば現地集合なんか遠いところに行く場合が、足がないと困るからバイクなどで行くということなんですけれども、「セキュリティ・タイム」という警備業協会の機関誌を見ますと、通勤災害が非常に増えているということなんですね。この二〇〇〇年度には、協会加盟の会社で通勤途上に発生した通勤災害が三百七十九件、被害者が三百八十三人、前年度比が一三%、要するに増しているわけですよね。ほかの産業では、通常、通勤災害というのは業務災害の十分の一が通常とされていると。ところが、警備業では約三割で推移しているわけですよね。
 その通勤災害について、この雑誌の「セキュリティ・タイム」では次のように分析しています。最初の二つは、通勤場所が不便で現場が順次移動するから、バイクや自動車、自転車などによる通勤が多いことによる事故、それからあとは、直行直帰型の勤務が多くて安全教育などが徹底されにくい、まあこれは環境型のことですが、あとの四つは、警備員自身が勤務環境が危険性と隣り合わせのために、強い緊張感、恐怖感、それから責任感が持続した後に放心状態に陥りやすくて、その結果陥る事故ですね。それから深夜勤務、長時間勤務が多くて疲労が蓄積されているということ。それから勤務年数の短い者が多くて業務に慣れていないためにストレスや疲労感を受けやすいとか、それから不規則な勤務状態の中で特に出勤時は睡眠不足の中で急ぎ過ぎるというような、こういうことが挙げられているわけですよね。
 私は、この警備業を含む深夜・長時間労働者に対する通勤途上の安全教育に関心を持ったわけですけれども、これはどんなふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。回答する方が、答弁なさる方がいらっしゃらないということで困っているんですけれども、よろしかったら、大臣、お答え願いたいと思います。



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○国務大臣(谷垣禎一君)

 適切にお答えできるかどうか自信がないんですが、私ども、警備業の通勤の災害については、実はちょっと事前に事務局にも聞いたんですが、資料がないということで、十分なお答えができないんです。できないんで、むしろこれは労働災害、今労働災害という観点から御質問ならば、そちらの方にお問い掛けの方が、現在資料をお持ちでないかと思います。
 大変不十分な答弁で申し訳ありません。



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○委員長(小川敏夫君)

 もう時間過ぎていますが。



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○田嶋陽子君

 はい。過ぎているんですね。
 今朝怒られましたので、これで終わります。
 ありがとうございました。

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~