テロ対策措置法案に関する公述人への質問
     2001年10月25日
外交防衛委員会公聴会



○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 きょうは、六人の公述人の皆様、どうもありがとうございます。
 私は、一番心配していることは、独立国家日本のあり方ということをずっと考えています。今回のことで、今回の事件に対するかかわり方で、日本がもしかしたら道を誤るんじゃないのかということを懸念しています。
 よく言われていることなんですけれども、ビンラーディンを捕まえてからということをよく言います。そして、復興計画もみんなが口にするようになっています。でも、私には、ビンラーディンを捕まえてからということと復興計画を考えている、この間には物すごいギャップがあって、いつ捕まえられるんだろう、どの辺の予測を立てているんだろう、本当は、その復興計画が実現するまでには十年かかるのか、もしかしたら五十年かかるのか、もしかしたら一年後か、わからないんですね。その辺のことを私は専門家の皆様にちょっとお聞きしてみたいと思います。
 お一人ずつ、十秒でも構いませんので、どんなふうに思っていらっしゃるか。西元さんからよろしくお願いします。

○公述人(西元徹也君) 結論として、その期間というのをここで予測することは不可能だと思います。

○公述人(田中浩一郎君) そのような準備は国連の方におきましても、既にこの戦闘が行われる以前、九月十一日以前から念頭に置いて動いておりました。

○公述人(坂元一哉君) 私も、いつ捕まえることができるかというのは言うことはできないと思いますけれども、こうしたオサマ・ビンラディンに対する攻撃というのは、彼の無害化にはつながっているというふうに思います。

○公述人(吉田健一君) 私もその点は全くわかりませんけれども、やはり今の事態というのが少なくともアフガニスタンの民族自決権を侵害するような形で進められていて、そういったやり方ではある意味問題ではないかという点だけ、ちょっと一言指摘させていただきたいと思います。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 私も基本的に同じなんですが、いつ捕まえられるのかというのはよくわかりません。ただ、問題なのは、捕まえ方といいますか、今行われていることに問題があるんだろうというふうに思っています。

○公述人(小林正君) 実は、今の御質問のビンラーディンがいつ捕まえられるのかということについては、後の復興計画よりも、捕まえられなかった場合にどういう事態が起こるかという認識の方が重要だと思うんですね。もし捕捉に失敗した場合には、アメリカを初めとしてこの戦いに参戦しているすべての国が今後大変な危機的状況に陥るという問題を派生するわけです。
 したがって、まずそのために集中的に圧倒的な力を使ってこのテロを根絶しなければならないという第一義的な目的達成のために最大限の努力を傾注する、それがまず第一だと思います。

○田嶋陽子君 私は、今の小林公述人のおっしゃっていた前半部分は大変賛同しますけれども、後半部分になるとここから意見の分かれるところだと思います。
 それに関してはちょっと置いておきまして、私は、この捕まえられるということに関しては非常に悲観的です。それを捕まえるために全力を投入して攻撃するというこの態度、今、捕まえ方が問題だと阿部公述人がおっしゃいましたが、むしろそこのところに私の気持ちはあります。
 それで、田中公述人にお伺いします。
 私は先ほどから申し上げているように、日本の独立国家としてのあり方と日本がこのことにどれだけ力が出せるのかということを考えているんですが、日本が後方支援をするということによって、私は、自衛隊を出すということですね、それに対してパキスタンの人やアフガニスタンの人たちがどういう日本に対する考え方を変えていくかということにとても関心があります。
 ということは、衆議院の審議会の最初の方でよく小泉首相がおっしゃったことは、日本が今どういう出方をするかは世界じゅうが見詰めているという、こういう言い方をよくなさっていたので、私はそのたびに新聞を取り寄せて、どれだけ世界じゅうの人が注目しているか調べますが、一言もどの新聞にも出てきません。
 今度の衆院通過したのもほんの幾つかの新聞が、東南アジアの新聞幾つかとドイツがそれを取り上げていて、経済力でもうだめになったから今度は軍事かと、こういう皮肉な調子で書いているのを、記事を見ただけです。
 ですから、逆に言うと、国際的に注目しているという言い方は、何か私たちをあおり立てていたような印象を受けるわけで、そのことも非常に恐怖感を持っています。
 パキスタンのデモを見たときに、やはり日本もアメリカと同じテロ国家なんだというプラカードを見ました。それから、日本はアメリカに追従しているというプラカードも見ました。すると、パキスタンには日本人が今何をしているのかよく通じているのかな、じゃアフガニスタンの人たちは相変わらず日本がこれまでしてきた支援に対して、日本人はいい人たちなんだ、自分たちを傷つける人ではないんだという印象を今もって持っているのかどうか、田中公述人にその辺の感想、印象をお伺いしたいです。

○公述人(田中浩一郎君) 非常に難しいところなんですが、この後方支援が具体的にどこまでを指しているのか、ちょっと私にはまだ何とも言えないところ、理解できないところなんですけれども、たとえこれが人道支援に限った問題であったとしても、難民支援であったとしても、残念ながら自衛隊の方が出ていけば、仮にパキスタンにおり立ってそこで活動を展開していけば、パキスタンの中において自衛隊及び日本に対する悪感情が生じることは間違いないと思います。

○田嶋陽子君 間違いない。

○公述人(田中浩一郎君) 間違いないと思います。
 ただし、その援助物資の恩恵にあずかる、授かるアフガンの難民においては、これはまた違う感情だと思います。これは歓迎すると思います。
 ここから外れて、より米軍の後方支援というところに入ってきた場合にアフガン人がどう思うかというのは、これは米軍の攻撃がどの程度一般民に対して被害を及ぼすのか及ぼさないのか、これひとえに依存します。

○田嶋陽子君 ありがとうございました。
 先ほど公明党の遠山議員から、国際法それ自体が、既存の国際法それ自体が状況に対処できないのではないかという御意見があって、そして阿部公述人から、そういうディスカッションが、議論が沸き上がらないといけないというお話で、まだ日本では沸き上がっていないということで、とりあえず既存の法律から私は現状というものをきちんと見てみたいと思います。
 それで、阿部公述人にお伺いしたいんですけれども、もう一度確かめるという感じの質問になるかもしれませんが、確かめたいと思います。
 同時テロに対して、多発テロに対して意見があります。アメリカを中心とする国際社会全体が武力を用いて反撃するのは当然だという形ですね。これは、当然ということは国際法に照らしてどう判断できますでしょうか。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。御質問どうもありがとうございます。
 先ほど私の陳述の中で申し上げたとおり、今の国際法、これは遠山さんの御質問、御発言の中に現在の事態に対処できるのかという御疑問が呈されましたけれども、日本は少なくとも今の現時点での国際法を守る義務を負っているということは間違いないわけです。そのことを確認しなくてはいけないわけですが、その今の時点の国際法におきまして武力を行使できる条件というのは、国連の集団安全保障措置を除けば自衛権を根拠にするしかありません。

○田嶋陽子君 それでは、アメリカは今回の武力行使を自衛権によって正当しているわけですけれども、自衛権はどういう場合に行使できるのか。先ほどもお話しくださったと思いますが、もう一度おさらいしてください。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 私のレジュメに書いてあるとおりなのですが、今の時点の自衛権の一般的な認識は次のようになっています。武力攻撃が発生した場合に、その武力攻撃を排除する限りにおいて武力を行使していい、それが自衛権というものであります。そして、そういう意味で、武力攻撃が発生しているということが確定されなくてはいけません。と同時に、行使できる武力というのは、緊急やむを得ない場合あるいは行われた武力攻撃と均衡性がとれているということ、そういったような条件を満たしていることがない限り自衛権の範囲を超えてしまうというのが現在の国際法です。

○田嶋陽子君 すると、今回のアメリカとイギリスの軍事行動は、自衛権の要件に照らしてみると疑問があるというのが阿部先生の御意見ですね。
 私は、一番やっぱり気になっているのが誤爆の巻き添えになった人たちです。大変な数の市民が死んでいるわけですが、もし自分がそのような立場になったとき、もう腹が立ったこの気持ちをどこにもぶつけられないような気がするんですね。それでも空爆の際に多少の犠牲が出ても仕方がないという、そういう言い方は首相の口からも聞かれました。そして、それは自衛隊に関してもそういう発言がありました。
 この空爆に関してだけお伺いしますけれども、多少の犠牲が出るのは仕方がないと言いますが、これは国際法的にはどういうことでしょうか。阿部公述人、お願いします。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 多少の犠牲が出るのはしようがないということは国際法上はありません。国際法においては、戦闘行為についてもきちんとしたルールが定められております。そのルールを守っているかどうかということが問題になります。したがって、ここでも、そのルールは新しい事態には対応できないのだという議論ももちろんあり得るのでしょうが、少なくとも現在の国際法がどうなっているのかというのを確認しておくという意味において申し上げます。
 それは、レジュメに書きましたけれども、直接的で具体的な軍事的利益との比較において、過度に一般市民の死傷や民間施設の損傷が引き起こされないということでありまして、これはより具体的に言いますと、目標物がきちんと選ばれているのかどうか、使用される手段が、例えば一つの爆弾が余りにも広範囲にわたって被害を生じさせるというようなことがないのかどうか、そして目標物や使用される手段、これが適切であったとしても、誤って不必要に市民を攻撃してしまった、それは現在の国際法上は禁止されています。もしそれがやむを得ないということであれば、それは国際法に反するということになります。

○田嶋陽子君 素朴な質問ですけれども、今回のような場合は誤爆があっても仕方がないで済んでいるような気がするんですけれども、軍事施設だけを攻撃するといった場合、そうしたら市民にそれを予告はしないんですか、きょう爆撃があるから退避しなさいという形で。私はそういうルールは国際法にあってもいいような気がしますが、私は知らないので教えてください。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 必要な警告等はやらなくてはいけないということになっております。これは、国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書というものがあります。これは一九四九年のジュネーブ条約に追加されるものです。二つの議定書がありますが、そのうちの一番目の議定書、例えばこの第五十七条を見ますと、攻撃の際の予防措置をとらなくてはいけないということになっています。例えばこの五十七条を見てみますと、今申し上げたような、文民への被害が生ずるかもしれないという場合には、実行可能なすべての予防措置をとらなくてはいけないということが規定されています。

○田嶋陽子君 すると、この亡くなった方たちは、損害賠償といいますかそれなりの補償、賠償を求めることができるのですか。アメリカは、そういう意味では法を犯しているということになっていいんでしょうか。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 それはとても難しい問題があります。
 先ほど、遠山さんの御発言の中にあったこととも少し関連してくるわけですけれども、国際法をどうやって実現するのかという意味におきまして、例えば個人の権利をどこで実現するのかというときに、多くの場合、現在は国内の裁判所を使ってやっています。国内の裁判所で国際法違反を訴えるということで、実際に、例えば国際法に違反して被害を受けた人がいた場合には、例えば国際法違反を犯した国の国内裁判所に訴え出るといったような形で被害の救済を図っていくということになっています。
 あるいは、もう一つ加えれば、戦闘行為等が終了した後に国家間の枠組みで補償問題を扱うということもあり得ます。

○田嶋陽子君 すると、難民の発生というのは、私たちは当然のごとくといいますか、受け入れていますが、難民の発生というのはやむを得ないというわけではないということですね。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 戦闘行為におけるルールとしまして、先ほどから申し上げていますけれども、直接的、具体的な軍事的利益との比較ということにおいて大量に難民が発生する、それも何千、何万、何十万、百万を超えるという難民が発生してくるということになりますと、それは直接的、具体的な軍事的利益とのバランスを明らかに失しているということになり、そういう状態に至ると、これは戦闘行為における国際法に照らしてみると重大な疑念があるというふうに言わざるを得ません。

○田嶋陽子君 すると、アメリカとイギリスが今やっている空爆というのは、国際法上ではかなり問題があるということで、日本では、国会では、さっき遠山議員もおっしゃいましたけれども、阿部さんもおっしゃいましたけれども、この国際法に関しては議論されていない。そういうところで、国際法との整合性というものを無視して国内法をつくるというのは、どんなふうにお考えになりますか。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 まず、武力行使それ自体が許されるのかということと、許される許されないにかかわらず個々の戦闘行為が国際法のルールに合致しているかという二つの問題があります。
 先ほどから指摘してきましたように、これらについての議論がほとんどなされていないということが私にとっての一番の大きな懸念になっています。
 そこで、日本の場合は、国際社会において名誉ある地位を占めるということに、憲法で、前文で宣言されていますが、国際協調主義という考え方を打ち出しています。
 この国際協調主義というのは、具体的には憲法九十八条二項によって国際法を守るという形で具体化されています。これは、日本の司法府において、あるいは行政府において、学界においてもそうですけれども、国際法というのは、日本の中においては通常の法律よりも上位に来る、つまり、法律は国際法に適合していなくてはならないというふうになっています。これが、日本が国際協調主義に基づき国際法を遵守するということの意味なわけです。
 したがって、あらゆる法律、とりわけ国際法規に直接的にかかわってくるような、戦闘行為のようなものを扱う法律をつくる場合には、現行の国際法との整合性を考えないという選択はおよそ憲法に照らしてあり得ないというふうに思います。

○田嶋陽子君 すると、今度のテロ法案も、きちんと国際法との整合性をこの後もし通過したら考えるわけですね、だれかが検討し、検査をするんですね。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 これは、事後にさまざまな審査、場合によっては司法審査ということもあり得るのかもしれませんが、先ほど例えば遠山さんが国際法の観点について非常にお詳しいことを言ってくださいましたので、ぜひ、今の時点からでどの程度実効があるのかわかりませんけれども、国際法との整合性については、国会外にゆだねるのではなく国会の中でもきちんとやっていただきたいというふうに思います。

○田嶋陽子君 それでは、武力行使以外に、私はやっぱり武力行使が嫌ですし自衛隊は出したくないと思い続けています。武力行使以外にどんな方法でこの問題が解決できるとお考えですか。時間の限り内で一言ずつ六人の方にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○委員長(武見敬三君) ちょっと六人は時間の都合上難しいと思います。限定してください。

○田嶋陽子君 だめですか。そうしたら小林さん。一言でいいです。

○公述人(小林正君) 今回のテロに対する有効、適切な手段は、現に米英並びにこれに賛同する諸国が取り組んでいる形以外にはありません。

○田嶋陽子君 というと、武力行使ですね。はっきり言ってください。

○公述人(小林正君) そのとおりです。

○田嶋陽子君 阿部さんお願いします。

○公述人(阿部浩己君) どうもありがとうございます。
 私は、今回の場合は国際法が用意している法執行体制のもとで問題を解決すべきだと思っています。国連の安全保障システムをより強く動かしていく、多国間の枠組みの中でこの問題を解決すべきであり、特定の国にその権限をゆだねていくというのは非常に危険な状況だというふうに思っています。

○田嶋陽子君 それは、特定の国というのは、はっきりおっしゃってください。

○公述人(阿部浩己君) 端的に言えば、アメリカということになります。あるいは、アメリカの同盟国ということにもなります。

○田嶋陽子君 次、吉田さんお願いします。

○公述人(吉田健一君) 私も、国際法の現在の枠組みを最大限生かしながら、新たにまた特別法廷などの創造的ないわゆる犯罪を裁く機関、そしてその容疑者を捕らえてそこにかけるという手続をとるべきだと思います。
 先ほど国際法が予定していないという御指摘もありましたけれども、やはり戦争を防止するという、戦争をしないという方向での国際法の戦後の歴史、その発展の上に立って対処すべきだというふうに思います。

○広野ただし君 ありがとうございます。自由党の広野ただしです。
 九時からもう三時間過ぎておりますので、各公述人には本当にお疲れだとは思いますが、あと最後になりますのでよろしくお願いをしたいと存じます。
 今度のテロは、本当に極悪非道、非常に残虐なテロ行為であります。これは、国際協調主義で、国際協調でもって断固として戦わなきゃならない、こういう思いでありますが、先ほど小林公述人がおっしゃいましたように、このテロの戦いというのは、従来の戦争と違ってアザー・ザン・ウオーということで、OTWと言われておりますが、新しい戦争形態であります。どこで、どこが戦場か非戦場なのか、またどこが軍事の衝突があるのかないのか、本当にわからないことでありますし、生活の舞台がまさに戦場になるということだと思います。
 そういう中で、後方支援協力という考え方というのは、前方と後方とを分けて、従来の考え方の中で行われていることだと思うわけですが、私たちは、自由党の方は一体行為だと、こういうふうに考えておりますが、この点、小林公述人にもう一度お願いをしたいと思います。

○公述人(小林正君) 今おっしゃったとおり、前方と後方というような分け方とか、あるいは戦闘行為とロジスティックスを分けて考えるという考え方は、近代の戦争概念というものから考えますと非常にいびつな解釈だろうというふうに思います。基本的には一体として考えるべきもので、日本でこうした解釈がとられている理由は、やはり憲法第九条の解釈をめぐる問題からそうしたことが発生していると、このように考えております。

○広野ただし君 軍事専門家であられる西元公述人、新しい戦争形態ということだと思いますが、後方支援という形で後方支援協力という形態になっているんですが、この点、武力行使と一体になるおそれがやはりどの場面でもあるのではなかろうかと思うんですが、いかがですか。

○公述人(西元徹也君) 基本的には先ほどお答えしたことと全く同じことの繰り返しになりますので避けたいと思いますが、テロに対して、今、米英軍を主体として行っておりますアフガニスタンへの攻撃は明らかに、伝統的な観点からいえばこれは戦闘であります。それから、このテロ行為そのものは、伝統的な解釈からいえばこれを戦闘と見るのか違うと見るのか、ちょうど私はその境目に、軍事と非軍事の境目と申し上げましたが、そこにあると思います。
 したがって、このものに対してどのように対応するかということは、必ずしもその理念なりやり方は現段階では確立していないというぐあいに思います。

○広野ただし君 では、今度のニューヨークで起こった残虐なテロ行為は戦闘行為ではないんですか。

○公述人(西元徹也君) 申しわけありません。それは冒頭に申し上げましたとおり、軍事と非軍事、警察行為と防衛行動、あるいは不法行為と侵略行為、それから戦闘と非戦闘、そのようなさまざまなもののちょうど中間に位置するものであって、これを一方から見れば明らかに非対称的な戦闘である、一方から見れば、手段その他実行組織、国と国との戦いではないという観点から見ればテロ行為である、このような解釈がなされると思います。私は、基本的にはこれはある意味の非対称的戦争であるというぐあいに理解しております。

○広野ただし君 今度のアメリカの戦闘行為は自衛権の発動ということで行われているわけですが、アメリカがやはり国際協調でやっていきませんとテロは撲滅できませんし、また非常に時間もかかるかもしれない、皆さんがさっきからおっしゃっているように。
 そういう中で、アメリカが今のような形でやっていきますと、アメリカとイスラムというような対決姿勢といいますか、そういうものにどんどんなっていく。私憤といいますか私恨と申しますか、あるいは報復といいますか、そういうことではなくて、そういう考え方ではなくて、国際協調、国連中心主義のもとにテロを撲滅していくということを私たちはアメリカにもアドバイスしてやっていかなきゃいけないんじゃないか、こう思っております。
 現在、一三六八という国連決議、そのほか幾つもありますが、そういう中で武力行使容認決議というのは出ていないわけです。湾岸戦争のときは非難決議を初めとして十二本ですか、武力行使容認決議まで持っていって多国籍軍が入る、こうなっておるわけですが、今回の場合にアメリカの国連への働きかけが、自分たちは自衛権の発動だと、こういうことですから、国連への働きかけというのは非常に少なくなっているように思うんですが、小林公述人、この点、もっともっとアメリカあるいは日本も国連中心主義にもっと働きかけるべきだと、このように思いますけれども、いかがでございますか。

○公述人(小林正君) 今おっしゃっている国際連合がこの問題を協議をして一定の方針を出すという点では、大変今困難な現実があると思います。
 今次の同時多発テロについて首謀者と目されていますビンラーディンは政治メッセージを発しているわけでありまして、それは中東問題、そしてサウジアラビアに展開している米軍の存在ということを言っているわけでありまして、この問題に絡めて、国際連合としてテロとは何かという概念規定まで含めて全体としての意思統一が可能なのかどうかということが非常に大きな難題になっているわけですね。
 したがって、今次、この状況の中にあって、国連というものを経由した形で、理想型としてはまさに世界が一致してこの問題に対処する体制を整えることは極めて重要な課題ではありますけれども、今日の情勢の中では、中東が第四次中東戦争と言われるような事態が一方に進行している中で極めて限定的に対象を絞って問題解決の第一段階を果たそうとしている状況の中にあっては、国連を通してということがなかなか困難な状況にあると、このように考えております。
 したがって、テロリズムの目指しているものはイスラム対欧米の文明というような衝突へ向けての一つの大きな仕掛けがあるわけでありますから、我々としては、あくまでも今回の事件を中東問題にリンケージさせるようなことがあれば一挙に全体の問題に波及しかねない極めて際どい選択を今日していると、このように考えております。

○広野ただし君 国連で武力行使容認決議がなかなか出ないんではないかという中で、国連中心主義の日本としてアメリカに後方支援協力というような形で果たして行えるのかどうなのか、この点が小林公述人も先ほど真っ正面から本来やるべき行為であるのにそれができないことがまことに残念なことだというふうにおっしゃっているわけですが、その点もう一度。

○公述人(小林正君) 今御質問の趣旨は、先ほど私が御意見として申し上げた問題になるわけでありますけれども、私は、やっぱり米国を舞台として起こった新しい戦争であって、決してアメリカの戦争ではないという、そういう全体としての認識がまずあって、そしてAPECまで含めまして共通認識に達していると、この経過が大事です。
 そして、アメリカ自身もターゲットにされたことについて怒り心頭でパニック状態かというと、きちんとこの間デュープロセスといいますか、そういうものを踏んだ形でコンセンサスの拡大に向けて懸命な努力をされて今日があるわけでありまして、そういう点を含めて考えれば、我が国として五十年たった同盟関係の中でこの再構築が求められる、友人であるアメリカが大変な危機的な状況にある中で、日本としてこの盟友に対する信頼関係を高めること、盟友としての傷をいやすために何ができるか、そういうことこそが今世界の中でも極めて信頼性の高い同盟関係の中で、アジア情勢の中で安定的な体制を維持できる一つの大きな条件だろうというふうに思いますので、このことについてはあとう限りの行動を積極的にともに行っていくということが今一番重要かと、このように思います。

○広野ただし君 自衛隊を海外に派遣する、これは日本の国家として究極の選択といいますか、判断が伴うことだと思います。そういうことについて、今回のテロ特措法は二年間、延長もできるわけですけれども、特別措置という考え方でなされているわけであります。
 その国の根幹をなすことをこういう特別措置という時限的な考え方で行うこと、これについて小林公述人は反対の意思をおっしゃっておられるわけですが、あわせて、田中公述人も先ほどそのようなこともおっしゃっていたと思いますが、もう一度確認をさせていただきます。

○公述人(田中浩一郎君) 御質問にありますように、私自身も、テロに対する戦いというものが普遍的にあり、かつ普遍的な価値であるとして西側社会あるいは文明社会に広くあるものとして認められ、かつこれが一過性のものではないというのであれば、本来その法案自体もそのような時限を設けるべきではないと考えております。

○広野ただし君 日本の憲法において集団的自衛権は自然権としてある、しかしその行使はしないというのがこれまでの政府の解釈でございますけれども、私たちは憲法上も集団的自衛権は抑制的に行使できる、こういう考え方であります。
 衆議院におきましては、先ほどおっしゃっていました安全保障基本法、私たちの正式の名称は国の防衛並びに国際の平和及び安全の維持に関する国際協力に関する基本法案という形で提出さしていただいているわけなんですが、先ほど坂元公述人は、安全保障基本法を作成して最終的に最高裁の判断を仰ぐべきだ、憲法との関係において、そういうことをおっしゃっておられましたが、最終的にその最高裁の判断をしましたとして、坂元先生はこの集団自衛権の問題についてどのようにお考えでございますか。

○公述人(坂元一哉君) その前提は、まずその安全保障基本法が通って、それが憲法違反だというふうに訴える人たちがいるというのがまず前提だと思います。それで、そこでもし最高裁が、どのような判断をするか私はわかりませんけれども、そこで明白にこれが憲法違反だということになったら、それはもうこの集団的自衛権の問題は憲法改正の問題しかないというふうに思うわけであります。
 申し上げたいのは、今、政府の解釈というのは、非常に重要な解釈でありますけれども、最終的な有権解釈ではないというふうに私は思います。

○広野ただし君 小林公述人に、この憲法上の、集団自衛権が許容されている、行使も許されているというふうに私たちは考えておりますが、御意見をお願いしたいと思います。

○公述人(小林正君) 個別的、集団的という自衛権についての分け方自身が大変特殊な解釈だろうと、このように思います。そして、個別的か集団的かの選択はまさに政治主導で行うべき問題であろうというふうに考えております。
 日米安全保障条約を結んで五十年間、集団的自衛権を前提にしない同盟関係というものは本来存在し得ないわけでありまして、仮に我が国の領土主権という、領海主権、領域主権というものを守ろうとして個別的自衛権のみを認めるということになって、これで果たして十全に我が国の防衛が可能かといえば、今、世界で自分の国を守り得る国というのはごく少数だろうというふうに思います。これはもう超大国以外にはあり得ないので、その超大国ですら、今回こういう同時多発攻撃を受けて大変ダメージを受けているというような状況もあるぐらいですから、私は、その個別的自衛権のみという場合の我が国の防衛ということになれば、軍事費というものは莫大な額を要するであろうし、これが集団的に対応するということによって結果として適正な規模を守り得るという側面もあるわけでありまして、できるだけ多くの国々との間で共通の集団安全保障体制をつくる、究極的には国連というものを将来的に十分機能し得るものにしながらこの目的を達成していくということが大変重要であろうと、このように考えております。

○広野ただし君 国連における武力行使容認決議がないままにアメリカの自衛権の発動たる今回の戦闘行為に協力をするということは、私たちは集団的自衛権の行使を認めるという新しい憲法解釈がない限り、やはりそれは憲法に反するんだと、こういう思いでございます。
 時間が参りましたので、終わらせていただきます。

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~