ITER(イーター=国際熱核融合実験炉)に関する質疑
                                 

2001年11月1日(木) 


 ●内閣委員会

   質疑時間=15分(往復)



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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。
 尾身科学技術担当大臣にお願いします。
 私は、ITERのこと、国際熱核融合実験炉のことについてお伺いしたいと思います。
 日本は今ITERの誘致に手を挙げていますけれども、その建設費及びランニングコストの総額はお幾らになりますか。



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○政府参考人(今村努君)

 お答え申し上げます。
 ITERにつきましては、まだ我が国は誘致を決めておりませんが、その建設を含めました総経費について御説明いたします。
 ITERは、建設期間が十年、運転期間を二十年、全体で三十年のプロジェクトということを想定いたしております。建設期間につきましては、本体建設費が約五千億円、またその建設を管理するための組織体の運営費としてこの期間に七百億円が必要とされております。また、直接の建設費に加えまして、その立地地点のサイト整備をする費用が必要とされております。また、二十年間とされる運転期間中につきましては年間約三百億円程度の費用、これは研究費でございますが、が必要と試算されております。このサイト整備費につきましては、立地地点によって変更がございますが、仮に我が国に誘致した場合においては七百億円から九百億円と見積もられております。
 こうしたことを踏まえますと、この三十年間全体のITERの費用は一兆三千億円というふうに試算されております。このうち我が国がどの程度分担するかどうかということにつきましてはまだ今後の問題でございまして、今まだ確定したものはございません。



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○田嶋陽子君

 すると、三十年の間に一兆三千億円ということですよね。もし、その負担額、日本がこちらに誘致、日本で誘致した場合の負担額はまだ出ていないということですね。
 ですけれども、こちらで得た情報では、最初は三千五百億円ぐらいだと、五千億円ですね、建設費の五千億円の半分と運営費七百億円の三分の一で三千五百億円くらいだったということでしたけれども、ニュースによりますと、ロシアが今支出、資金出費に何か抵抗しているということで、もし誘致した場合、誘致国は建設費と運営費合わせて約六割近くを負担しなければいけないというふうな情報を得ております。すると、こちらで計算しますと、五千億円プラス七百億円掛ける六〇%で、プラス六百七十億円で約四千億円ちょっとになるという、そんなふうに考えてもよろしいんでしょうか。



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○政府参考人(今村努君)

 我が国の分担額につきましては、先ほど申しましたように今後の具体的な交渉等で決まるべき問題でございますが、仮に我が国にITERを誘致した場合の、これまでのそのITERの工学設計活動段階における当事者間の議論などを踏まえますと、今先生御指摘の建設段階十年間で約四千億円というのは、私どもも大体その程度の見積もりではないかというふうに考えております。



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○田嶋陽子君

 それでは、もう一度お伺いします。
 すると、これは実験炉ですよね、三十年かかって実験炉をつくるわけですね。その後でこれが実用化されるのは何年先になるとお考えなんでしょうか。



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○政府参考人(今村努君)

 このITER計画につきましては、原子力委員会でこれまで議論がなされてきたところでございますけれども、ITERのこの目的は実験炉、すなわち地上で工学的に核融合を起こす装置というものでございます。したがいまして、これによってエネルギーが直ちに出るというものではございません。それを踏まえまして、その後、原型炉を経て実際のエネルギー源として使えるというふうな筋道が考えられておりまして、そういう意味では、今後五十年程度の、実際にエネルギー源として使えるためにはITERの後さらに十年ないし二十年の原型炉段階でのエネルギーとしての実証が必要であろうというふうに考えております。



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○田嶋陽子君

 尾身大臣にお願いします。
 今おっしゃったように、その原型炉とか実証炉とか、その三十年後にまたつくらなければいけないわけですね。そして、エネルギーとして使うためには商業炉というものをつくる。最初は、一九五〇年ごろには十年後にはと言っていて、ところがこの一九九〇年代には二〇四〇年、今おっしゃったように五十年後ぐらいと言っていますけれども、現実的には今世紀中には無理なんじゃないかというふうに言われている、そういう情報もあります。これは文部科学省ですね、そんなふうにおっしゃっていると思いますけれども。
 要するに、これは実現するというよりは毎年遠のいていく。私たちが生きている間だけじゃなくて、百年後も実用化が難しいんじゃないかと、そんなふうに情報を得ていますけれども、それに関してはどんなふうにお考えでしょうか。



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○国務大臣(尾身幸次君)

 この原子力の分裂性の、いわゆる普通の原子力発電所は分裂性、こちらは核融合の方式でございますが、なぜこういうことをやり始めたかという原点に立ち返ってみますと、いわゆる化石燃料の主流を占める石油は三十年から四十年しかもたないと。そのうちのほとんど、日本で使っている石油はほとんど一〇〇%輸入をしていると。こういう状況で、外国だけにエネルギーを頼っている我が国は、やはり代替エネルギーの大宗である原子力開発を進めていかなければ国家百年の大計がもたないということでございまして、我々は、私どもが生きている間に実用化できなくても、まだまだ人類は続くし日本も続くわけでございますから、五十年、百年後でも本当に実用化されて日本のエネルギー問題を根本的に解決するような問題は、今お金がかかってもやらなきゃならないというのが我々の考え方でございます。



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○田嶋陽子君

 私は、これは非常に危険ですよね。トリチウムというのを使いますけれども、これは水とほぼ同じもので、環境に放出されてもわからないものだと。それから、トリチウムというものの放射性というのを、これをつくる側は非常に軽視している、環境に放出されても大したことはないというようなあいまいな答えが出ております。これは、ほかに私が得ている情報では、大量に発生する中性子は分厚い壁を通り抜けて出てくるんではないかという、そういう懸念があります。それから、それらを封じ込めるはずの電磁波の壁がクエンチ現象というので破れたら、二億度Cの熱の塊、エネルギーの塊が噴出するんではないかという、そういう懸念もあります。
 ですから、百年の計、国家百年の計は非常に大切ですけれども、国民の命あっての物種ですよね。そんな環境汚染が懸念されるようなものを今後百年の計でやっていくことに私は疑問を持っています。しかも今、国家財政が危ないときに、一兆円以上のものを三十年かけて使うというよりは、私が提案したいことは、この核融合発電の研究を進めるんではなくて、その一兆円、とりあえずは四千億円、その後一兆円とかかるお金を、太陽光とか風力など再生可能なエネルギーに転換を進めていくべきだと思うんです。お金を要するに使いかえるわけですね。
 例えば、新エネルギー導入大綱というのを読みますと、日本では一九九九年度の新エネルギーの構成比は一・一%です、新エネルギーの構成比は。二〇一〇年には、これから十年後には三%にするという目標を設定していますけれども、私はこれは目標値が少な過ぎるんじゃないかと思います。例えばEUでは、二〇一〇年には太陽光発電や風力発電など自然エネルギーは一二%にするという目標を掲げています。そのことをどうお考えになりますでしょうか。



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○国務大臣(尾身幸次君)

 これは、私の方は聞いていただきたい質問でございました。
 いわゆる新エネルギーは確かにいろんな意味でいい点もございます。しかし、例えば廃棄物のごみ発電、あるいは風力、太陽光全部合わせても見通し得る将来には数%にしかならないというのが私が得ている情報に基づく見通しでございます。
 そういう中で、日本はほとんどの石油、ほとんどというか全部の石油を輸入しておりまして、ヨーロッパのように北海の石油があるとか、あるいはドイツの石炭がかなりあるとかいう国とは事情が違います。そういう中で、エネルギー問題を解決するためには、いわゆる新エネルギーで幾らやっても日本のこれからどんどん伸びていくエネルギー問題は絶対に解決できません。やはり原子力を、核分裂性も含め核融合性も含め、そういうものを本格的に開発していかない限りは、将来の私たちの子供たちや孫たちのためのエネルギー問題は絶対に解決できないと私は思っております。
 したがいまして、三%とか数%のシェアを持つような開発があるから原子力の開発は要らないのではないかということは全くの的外れであるというふうに私は考えておりまして、これを国家としてどうしても推進をしていかなければならないというのが我々の考え方でございます。



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○田嶋陽子君

 的外れではないと思います。自然エネルギーは、いや、その前に、この新エネルギーという言葉はちょっと定義がおかしいと思います。新エネルギーと言いますけれども、その中に、私なんかが考えるのは太陽光や風力発電ですが、ここには今大臣がおっしゃったような廃棄物なんかを燃すエネルギーも入っているんですね。その廃棄物を燃したらCO2が出るわけですから、新エネルギーとはいってもこれは環境破壊に入ります。ですから、やっぱりEUなどと同じように、新エネルギーの定義はEUとかに合わせて、廃棄物を出さないようなそういうエネルギーとして定義し直していただきたいんですね。それでないと、新エネルギーといって私たちはごまかされてしまいますが、廃棄物を燃せばダイオキシンも出れば二酸化炭素も出ることで、環境の擁護にはならないということですね。
 それからもう一つ、自然エネルギーは核融合のような研究開発予算は要らないということです。ただ、それを広めていくためにお金が要るんですね。そしてまず、例えば風力発電とかバイオマスとか、水力発電ですね、小さな、ダムを必要としない、そういうもののために、例えばこんなふうにこちらは考えます。
 太陽光発電の潜在能力、さっき女性の潜在能力とおっしゃいましたけれども、自然の潜在力もでっかいんです。潜在能力は八千万キロワットと言われていますね、あるいは九千万キロワットだとも試算されています。日本の電力需要のピークどきというのがあって、そこがいつも満たされないから困っているわけですが、そのピークどきは一億七千万キロワットくらいだと言われています。でも、太陽光発電を普及させると、このピークどきの電力を半分ぐらいはカバーできるんじゃないか。この半分ぐらいは原発八基から九基分に相当するんですね。
 ちなみに申しますと、さっきのITERを使った場合には、これも原子炉が要るんですね。物すごい電力消費なんです。だから、電力をつくっていくといいながら電力を食っていく、そういうエネルギーですよね。
 ちょっと、またもとに戻ります。
 この太陽光発電だとか風力発電と、あとバイオマスなどを組み合わせれば、いつ実現するかわからない核融合発電よりもはるかに現実的だということが一つ言えると思います。私は、財政再建が非常に大事な時期に、いつ成果があらわれるかわからないものを国家百年の計といって人の命に危ないもののためにお金をかけるよりは、しかも大変な危険性まであることで、そのことは全く完全に否定できないわけですから、自然エネルギー普及に一兆何千億円のお金をかけてほしい。
 そうすることで、例えばドイツやデンマークなんかは自然エネルギーを買い取る制度があるわけですね。その買い取る制度によって非常に風力発電を飛躍的に伸ばしたと言われています。それから、自然エネルギー促進法推進ネットワークというのがありまして、そのNGOの試算では、もし日本で同様な制度を導入した場合には、毎年多くても七百億円程度で飛躍的な普及効果を得られるということがわかっています。
 ですから、建設費の四千五百億円、それから三十年にかかる一兆何千億円、そういうものを投入していったら太陽光発電もそれから風力発電も夢ではなくて、EUの言うような一二%以上のものは、そのピークどきの消費電力はきちんと賄えるということですね。その上、これは、太陽光発電もそれから風力発電も、日本全土を覆うわけですから、地域の発展、それから雇用拡大、そして大事な環境擁護もちゃんとできるということです。
 ですから私は、イーティー、イーティーじゃなくて、これ変な言い方ですね、だれが言ったのかわかりませんが、これアイ・ティー・イー・アールと読むんですよね。でも、これ、もしイーター、イーターといったら金食うイーター。変な私はプロジェクトだと思っていますので、ぜひこれを考えていただきたいんですが、尾身大臣、もう一度。



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○委員長(佐藤泰介君)

 時間が来ておりますので、最後の答弁にしてください。



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○国務大臣(尾身幸次君)

 議事録に載っておりますので、はっきり申し上げなきゃいけませんが、間違えていることがございます。
 このITERは、出てくるエネルギーよりも入るエネルギーの方が、つまりインプットするエネルギーの方が多いというようなお話がございましたが、インプットするエネルギーは今のこのITERプロジェクトでも約一〇%以下でございます。つまり、一〇%以下のエネルギーを入れると一〇〇%のエネルギーが出てくるということに専門家の意見は決まっておりまして、そういう設計に今ITERですらなっているわけでございますから、間違いないようにお願いを申し上げます。
 それからもう一つは、いわゆる新エネルギーの中で、廃棄物とそれから黒液の、廃材等を燃焼してやるということについては入れちゃいかぬと、新エネルギーに。これを入れませんと二〇一〇年の計画で一・五%にしかならないんですよ。太陽エネルギーとか、光の、風力とか、そういうものを入れると、一・五%にしかならない、十年後でも。
 ですから、そういう意味で、エネルギー問題は理論の問題ではなくて現実の問題です。我々は日本人の社会生活、経済生活に必要なエネルギーを本当に供給しなきゃならない。現実の問題を現実に解決しなきゃならないわけでございます。
 そういう意味からいえば、新エネルギーが幾らもならないのに、これが五〇%にもなるとかそういう幻想を抱いてエネルギー政策をやるわけにはいかない。我々は責任を持つ者として、日本のエネルギーはきちっと供給をしていかなきゃいけないと。そういう意味で、いわゆる新エネルギーは、我々の考えている全体のエネルギー供給の中でこれだけの比率しか占めないという見通しでございますから、それをもって、原子力はこれから十年後は一〇%、一五%になるという予想でございますが、それにかえるわけにはいかないというのが現実の政策を担当している私どもの考え方でございます。


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○委員長(佐藤泰介君)

 田嶋陽子さん、時間です。



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○田嶋陽子君

 一言言わせてください。



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○委員長(佐藤泰介君)

 じゃ、最後の質問にしてください。



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○田嶋陽子君

 一言。もう質問しません。
 私は、専門家、専門家と言われますけれども、私も専門の分野にいた人間ですけれども、専門家はその立つ立場によっていろいろ角度が変わると出てくる数値も違うんですね。だから、一つだけ申し上げておきますけれども、同じ立場で私もエネルギーのことを考えています。ですから、おっしゃることはよくわかりますけれども、ただ、専門家ということではなくて、まだ工夫する余地が物すごくあるということで、今、世界全体は原子力を使わない方向に行っているのになぜというのをみんな思っているわけですので、そこでもう一度御検討願いたいと思います。よろしくお願いします。
 今、訂正がありましたよね。済みませんけれども、訂正が。省庁の方、ありましたけれども。ちょっと違った。



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○政府参考人(今村努君)

 ITERはエネルギーを出しませんので、そういう意味で……



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○国務大臣(尾身幸次君)

 今の一〇%の話はITERじゃなくて核融合ということで……



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○田嶋陽子君

 だから、私は間違っているんじゃないんです。



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○国務大臣(尾身幸次君)

 そういうことですから、そこは説明を修正をいたします。



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○田嶋陽子君

 私が間違っているんじゃないんです。訂正してください。間違ってない。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 あなたが言っているのが間違っているんじゃなくて、私の言い方を正確に言っただけです。

 

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~