少年犯罪の実情と更生方法に関する質疑   

 2001年11月6日

●内閣委員会 


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○田嶋陽子君 

 社民党の田嶋陽子です。
 少年犯罪の実情とそれから更生方法についてお伺いします。
 村井国務大臣は、所信表明の中で「少年による凶悪、粗暴な事件の続発、」と言っておられます。それから、十三年度警察白書でも少年の強盗罪の検挙人数が、人員が急増しているとも書かれています。村井国務大臣は、この凶悪、粗暴な犯罪の背景は何だと考えておられますでしょうか。


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○国務大臣(村井仁君) 

 いろんなことがあると思うのでございますけれども、私はやっぱり、どう申しましょうか、ここ五十数年の間、考えてみますと私どもの国というのはどうも物質的な豊かさのみを求めて、家庭にはしつけがなくなり、それから学校教育からは道徳教育というものがうせ、言ってみれば子供がそのまましたい放題、自分の欲望を一切抑制することなく、要するに、言ってみますと、植物、私も百姓のせがれでございますから感じることなのでございますけれども、農産物にしましても、あれはやっぱりある程度手をかけてそれで初めてある形をなすという面があるわけでございまして、そういうことがなくただ徒長してしまう、いたずらに伸びるというような面もありまして、私はそういう意味で、社会が悪いとは申しませんが、そういうさまざまの家庭の中、それから社会における言ってみれば放任というようなものが一つの原因になっているのではないかというような感じもいたしております。
 それからさらには、マスメディアの、例えば暴力肯定的なメディアの存在、それから一方で、私どもの子供のころでございましたら、例えば取っ組み合いのけんかなんというのはしょっちゅうやったものでございますけれども、それがすぐにいじめということになりまして、どのぐらい殴ったらどのぐらい痛いかといったようなことは全然お互いわからなくなっちゃっているというような感じもなしとしないのではなかろうか。
 ちょっと言いたい放題なことを言わせていただきましたけれども、そういうようなものも、いろいろな意味で何をしていいか悪いかということが弁別ができないでいるというようなことも一つあるのではなかろうか。
 さらには、もう一点だけ申し上げさせていただきたいのは、少年犯罪で非常に私は残念だと思っておりますのは、自分が少年なるがゆえに厳しく罰せられることがないということを認識して犯罪を犯しているようなケースもなしとしない。そういうようなことは、まあ私も元官僚だったんですが、官僚の立場では考えていても言えませんからあえて政治家としての立場で言わせていただくと、そんなようなところが背景にあるのではないかと存じます。
 もうちょっと詰まった答弁は生活安全局長からしてもらいます。




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○田嶋陽子君

 ありがとうございます。
 でも、これはよくマスメディアで言われていることをまとめて言ってくださった感じで、ちょっと私なんかが考えていることと違うんですが。
 それでは、例えばこういう記事があります。そういう犯罪を犯した子供たちが何を感じているかということですね。非行を犯した子供たちは、よく話していくと、まず、ありのままの自分を愛してもらえなかったということですね。それともう一つは、崩壊した家庭に育った子供が多かったということです。それはどういう家庭かというと、お父さんがアル中だとか家庭内暴力を振るう、振るわれるお母さんを見ている、その結果、おまえなんか要らない子供だとか出ていけだとか死んじまえとか言われている。そうした家庭が崩壊した家に育った子供が多いですね。それから、暴力を受けているということですね、親に。そこから、人間不信を持っている。これらの子供たちが、いわゆる調査官の目から見た子供たちだということです。
 すると、村井国務大臣は、今おっしゃったこととこのこととをどんなふうに結びつけてお考えになられますか。簡単にお願いします。


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○国務大臣(村井仁君)

 はい。できるだけ簡単に申しますと、私はさっき約五十年余りというようなことを申しましたけれども、言ってみますと、今、田嶋委員が指摘された子供たちというのは、私はある意味ではしつけや道徳教育なくあるがままに伸びたその親たちから生まれた子供たちという面があるのではないか。その親御さんたちの方にも、大変失礼ですけれども、既にそういう要素があり、それがさらに強まったんじゃないかというような全く偏見に満ちた考え方を私はあえて申し上げさせていただきたい。


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○田嶋陽子君

 親もそういう親だったんじゃないかというのはある意味で真実だと思うんですね。
 例えばここにこういう統計があります。これは、このことをどうお考えになりますでしょうか。一九九八年に岐阜県の笠松刑務所に入所していた六十七人の女性受刑者を対象にした調査ですね。そこで、約七割が過去にレイプなど性的虐待を受けていた。すなわち、犯罪者として入所している人たちの七割が、加害者なんですけれども、その人たちは被害者だったということですね。
 それから、ことしの八月に法務省法務総合研究所が発表した少年院在院者の二千三百五十四人を対象にした調査では、半数以上が親などに虐待された経験を持っていたと。これは、現場の少年院教官の感覚でも、いじめや虐待など被害体験をしている子供が犯罪者の中には多かった、非行少年の中には多かったということですよね。
 すなわち、これらの結果から私たちが言えることは、非行を犯した、犯罪を犯した少年たちのその多くが、それから女性もそうですが、そして恐らく男性の犯罪者もそうだと思いますが、虐待体験が犯罪の要因の一つになっているという、そういう仮定が成り立つと思いますけれども、そのことに関してはどんなふうにお考えでしょうか。


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○国務大臣(村井仁君)

 ただいまの田嶋委員引用されましたデータ、必ずしも私存じませんが、それはもう十分あり得ることなんじゃないだろうかという気がいたします。特に、幼い、比較的小さいときに虐待されたというような体験というのは非常に大きな傷としてその人の精神形成に影響している、それはもうよく言われることであろうかと、それを実証する一つのデータではないかという気がいたします。


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○田嶋陽子君

 そうしますと、最初に大臣がおっしゃった、放任したから、あるいはマスメディアだからとか、何かそういうことと違ってきますね。おかしいじゃないですか。
 放任したと、放任するということとは、自由にほっておいたということとは違って、もしかしたらネグレクトされた、無視されて育ったということにも言えるわけでして、家庭教育、道徳教育とはどうもこの犯罪は無関係、犯罪する人とはある意味で無関係じゃないかというふうな想定も成り立ちますが、大臣が最初におっしゃったこととちょっと違ってきますが、その辺の整合性はいかがでしょうか。
○国務大臣(村井仁君) いや、それは、論理学の論理の問題として、私は大量観察としてこういう印象を持っておるということを申し上げた。それに対しまして委員は、特定の、あえて言えば集団についての認識をお尋ねになられて、これがこうだという論理を展開された。それとこれとは別に相矛盾するものではないと私は思うわけでございます。


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○田嶋陽子君

 相矛盾します。
 でも、今犯罪者のことをやっているんですから、少年犯罪の実情と更生方法のことをお伺いしたいと思っているので、現に入所している人を調査して言っていることですから、これに基づいて議論しなければ、犯罪をなくすこともできないし、それから、私たちがどうこの人たちを更生させていくのか、そのことを考えることもできないですね。単なる論理の問題ではないと思います。
 そこで、もう一度お伺いします。
 被害者が加害者に転ずるという、さっきいみじくも国務大臣はトラウマという言葉をおっしゃったけれども、実はこのトラウマが問題でして、トラウマというのは、私たちは余りにもつらいからみんな忘れていきますけれども、体も心も忘れないで心の中に沈殿していて、そして悪さをするんですよね。例えば、腹が痛い人に──その話はよします。それで、沈殿していくんです。それが無意識のうちにいろんな形で出てきて、そして悪さをしていくわけですよね。
 ですから、被害者が加害者に、加害者が被害者にというこの被害、加害の連鎖を断ち切らない限り犯罪は少年でも女性でも男性でも私はなくならないと思うんですけれども、どうお考えでしょうか。


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○国務大臣(村井仁君)

 それは、確かにそういう面もありましょう。
 ただ、私が冒頭に申し上げましたことは、一般的に少年の犯罪の比率というのが大きくなっているという現実を踏まえまして、大勢観察といいますか、社会の印象として申し上げたわけで、今委員が仰せのように、刑務所に今入っている人たちについてどうだということであれば、それはまたちょっと議論が別になってくるのかもしれません。
 私がさっき申し上げましたように、少年の場合には、刑に処せられることなく別途の扱いを受けるとか、いろいろなケースがございます。それも包含して私は先ほどは冒頭のお尋ねに対しては申し上げた。そういう意味で矛盾しない、このように申し上げたわけでありまして、今委員が御指摘になられたような犯罪に至るような連鎖をどこかで断たなきゃいけない、それはそれで一つの御議論だと思います。


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○田嶋陽子君

 じゃ、質問の仕方が悪かったということですね。
 少年犯罪を減らすために、私はもう時間がないので先に進みます、少年の厳罰化が必要だと言われていますけれども、少年法も改正されましたけれども、私はそんなふうには考えていません。
 先ほどの続きになりますけれども、平成十二年の犯罪白書では、保護観察処分とそれから少年院仮退院者を比較します。保護観察処分の少年の再犯率は、平成九年以降上昇したとはいえ、一七%とか一六%とかそういうところです。でも、少年院仮退院者の再犯率は二十数%を下ることがありません。すなわち、保護観察処分の少年よりも少年院の仮退院者の方が再犯率が高い。すなわち、重罪犯と言うとおかしいですけれども、重罪犯の方が再犯率が高い。それはなぜだと思われますか。




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○政府参考人(黒澤正和君)

 犯罪を犯す少年につきましては、今いろいろ御議論がございましたけれども、まさにいろんな要因が複雑に絡み合っているものだと認識をいたしておるところでございます。それは、規範意識の問題、家庭の問題、学校の問題、地域社会の青少年への無関心の問題、あるいは青少年を取り巻く環境の悪化等の要因、もろもろの要因が複雑に絡み合っておるところだと思います。
 少年院仮退院した人の方が再犯率が高いのではないかと。その原因についても一概には申し上げることはできない、いろんな要因が絡み合っておるのではなかろうかと思います。
 そしてまた、今、被害と加害の連鎖のお話がございましたけれども、私どもは、いろんな犯罪を犯した少年につきまして健全育成、更生を図るという、そういう健全育成の側面と、それから、実は少年が犯罪の被害に遭うケースが大変多くなっておるところでございまして、私どもは、そういった心身に与える影響が大変甚大だという観点から、少年の保護の面からもいろんな施策を講じておるところでございまして、まさに非行防止、それから非行を犯したものの健全育成、更生、そしてまた被害に遭った者のケアといいますか保護、こういった両面にわたって施策を進めておるところでございます。
 今御指摘の問題につきましては、いろんな要因が絡み合っておるものだと考えておりまして、一概には申し上げることはできないのではないか、かように考えておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 何でもいろんな要因が絡み合っているとか、そういうことを一般化してしまうと問題が見えなくなるというふうに思うんですね。
 具体的にいきます。
 法務省の矯正保護審議会が十二年十一月にまとめた提言、「二十一世紀における矯正運営及び更生保護の在り方について」、ここで少年矯正のあり方についていろいろ述べられていますけれども、私から言っちゃいましょうか。言ってくださいますか、そちらで。どんなことを具体的にやっていらっしゃるのか、一つ一つをお伺いして。でも、時間がないですね。私のところにあるので言っちゃっていいですか。それが間違っていたら、言ってください。
 まず、どういうことが挙げてあるかというと、社会的スキルを学ばせ、行動のレパートリーを広げさせるための訓練、これは職業訓練でいいですよね、大体が。それから、カウンセリングや感受性訓練を実施。カウンセリングは大体見当がつくとして、感受性訓練ってよくわからないですよね。これはクエスチョン。
 それから、少年院では以前から、犯罪被害者の視点でみずからの非行を見詰めさせたり、犯罪被害者の問題を一般化して考えさせたりする指導を行っている。これは、要するに、犯罪を犯した人が自分が犯した相手の視点で自分の非行を見詰めさせるんですよね。だから、これは被害者の立場に立って物を見させるという訓練です。
 それからもう一つは、最近では、被害者及びその家族などに謝罪する気持ちを育てることに主眼を置いた贖罪教育というのをやっているんです。すごいですよね。だから、これは、被害を及ぼした他人だとか自分の親に、ごめんなさい、申しわけございませんでしたという思いを抱かせるための教育ですよね。
 それから次が、内観療法というのがありました。これはちょっとよくわからないんですが。その次には、ロールレタリングなどを使いと。これは、自分と親などの役割を交代しながら手紙を書くことで自分とは別の立場になって考える姿勢を身につけさせる。
 すなわち、私がここでわかることは、ここからわかることは、まず職業訓練、外に出てからのこと、それから、全部、対相手とのことです。被害者のことを済まないと思いませんか、親に迷惑をかけて済まないと思いなさい、社会に迷惑をかけたことを済まないと思いませんか、こういう教育ですよね。そして、ここにある内観療法というのがよくわからない。カウンセリングというのもちょこちょこっと入っている。感受性訓練とか、よくわからないんですが、これは一体何かわからないですけれども。
 私は、これでは再犯はなくならないと思います。そして、これではその罪を犯した子供たちは再生しない、更生しないと思います。なぜなら、罪を犯した人、その人たちの心のケア、本物の意味での心のケアが何もなされていないからですね。
 例えば、アリゾナ州にアミティーという施設があります。そこでは、犯罪を犯した人のさまざまな依存症を抱える人たちが治療共同体をつくっている。アミティーというのは友達、友愛という意味ですけれども、そこではどういうことを言っているかというと、まず、犯罪を犯した人、加害者、その人が実は自分がもとは被害者だったということ。親に虐待されたり、殴られたり、言葉の暴力を受けたり、それからレイプされたり、親にですね。そういう被害者だったということ。それから、先生にののしられたり、殴られたり、いじめられたり、そういう被害者だったという。もう忘れたい事実ときちんと向き合う作業をやってから初めて相手に対しての思いが生まれると、こういうことを言っているんですね。
 でも、日本の場合は逆で、その被害者の心の傷を、さっき大臣がトラウマとおっしゃった、それをいやす前にごめんなさいを言う練習をさせている、世間に対して申しわけないと言わせる練習をさせている。これをやっていったら、再犯はやまないと思うんですね。
 私は、犯罪者がかつては被害者であったというその痛みに気づくこと、痛みを自覚して、そして一番大事なことは、それを意見として言わせることじゃなくて、実はある方法によって、リエバリュエーションカウンセリングと、私なんかはそう言って自分が大学の教師だったときに教室にも取り入れていることですけれども、自己再評価カウンセリングと言うんですね、それをやることによって、そのつらかった、隠ぺいしてある感情を表に吐き出させる。吐き出させることによって、体が軽くなる。
 だから、さっきちょっと言いましたけれども、胃が痛い人に対して、胃が痛いときに暴れ回ってほかの人を殴ったりしたときに、胃が痛いのに、ごめんなさいと言いなさいと言ったって言えないんですね、死にたいぐらい痛いんですから。そうしたら、まず、胃を治してあげる。そうしたら初めて胃の痛かった人は、さっきごめんね、胃が痛かったからあんな暴れちゃったけどと謝れるという、そういう論法ですね。
 でも、私が聞いた話もそうですけれども、ここにもあるように、要するに、先に謝らせることを学ばせているというこの方法は違うんじゃないか。すなわち、日本の少年あるいは犯罪を犯した人たちを更生させる方法は、もしかしたら昔からずっと同じ方法でやっていて、相変わらずごめんなさいを言わせるための方法なんじゃないか。ずっとそういうことに疑問を持っています。
 そして、例えば、犯罪を犯さなくなるときというのは、この犯罪を犯した人たちというのは、死んじまえと言われたり殴られたりすることは自尊感情が、自分をとうとぶ感情が非常に低くなっているわけですから、その自尊感情を取り戻させてやるわけですよね。そういうことをしないと、ああ、自分は犯罪を犯してしまった悪い子なんだ、悪いことなんだ、ごめんなさい、ごめんなさい、自分が悪かったんだ、そのままで社会へ出ていくと、トラウマはそのままですから、また胃が痛くなるわけですよね。体の中で暴れるわけですよね。そうやって再犯を犯していくと思います。
 私が今お話ししたようなRCの方法というもの、自己再評価カウンセリングみたいなものはもう考えていらっしゃるんでしょうか、それともそのことに関しては全く無関心でいらっしゃるんでしょうか、お伺いしたいと思います。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 いろいろ貴重な御意見を拝聴いたすことができまして、厚く御礼を申し上げたいと思いますが、私どもはいろんな施策を講じておりまして、平たく言いますと強く優しい少年警察の運営というようなことで、犯罪を犯した非行少年につきましては、その意味というものを理解させる。そこには、厳正に対処をすると同時に優しい、これは先ほども申し上げましたけれども、犯罪被害に遭った少年につきましては保護をする、そういう強く優しい少年警察運営の推進に努めておるところでございます。
 そしてまた、いろいろカウンセリングの面等につきましても、いろんな施策の中で、私ども警察官が少年警察に従事するのはもちろんでございますけれども、少年相談専門職員という専門的な教育を受けた職員も配置してございまして、これは何も犯罪を犯した非行少年ばかりではなくて、犯罪の被害に遭っている少年、あるいはいろいろ悩んでおる少年、そういった人たちにつきまして保護者も含めて相談に応ずる、継続的に相談に応ずる、そういったこともやっておりますし、また相談専門職員のほかに補導職員という職員もおりまして、主として女性がこの職についておりますけれども、こういった補導職員も街頭で少年の補導をする、あるいは少年の悩み事を聞く、相談に応ずる、いろんなそういった保護の面、優しい面からもいろんな施策を講じておる。これが警察で現在行っておるものでございます。
 いずれにいたしましても、幅広くいろんな視点から、まさに少年犯罪は複合的な要因、いろんな背景があり、いろんな原因があって少年非行問題が生じておるわけでございまして、私ども、学校との連携、あるいは家庭、地域社会との連携、こういった関係機関との連携にも努めながら、そしてまた、少年を取り巻く環境の浄化、少年による深夜の遊興や不良行為を助長する環境の浄化、こういったようないろんな施策を総合的に推進をいたしておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 いろんな施策を推進していらっしゃる、そのことは大変結構なんですけれども、私は、傷ついた犯罪人の心との接し方のことを申し上げているんです。いろんなことをやってくださることは大変結構なんですけれども、その一番大事な心の接し方を間違えると、強く優しいというのは昔からありますよね、あめとむちというやつで。私はこの言葉は余り信用しません。強く優しくの中身がどれほど現代的か、最先端の心を扱う対処法に向かっているかということが私は問題だと思います。
 ちょっと時間がないのでいろんなことをはしょってしまいます。
 私は、警察官のことも近ごろ不祥事が目立っていて、そして一人の人間としての警察官がどれだけ警察署の中でメンタルヘルスを受けているかということを非常に気にしています。
 例えば、警察官は、いじめというかストレスがあると、大人は、例えば児童虐待もそうだし、それから家庭内暴力もそうですが、力のある人がストレスにかかったときに弱い者いじめをします。警察官の不祥事もいろんな原因があるとは思いますけれども、新聞を見ますと、被害に遭っているのは女性や子供たちです。一体、警察官、私が思うには、勝手に思うと申しわけないかもしれませんが、私は、警察官たちは大変なストレスに遭っている人たちではないかと思います。
 そして、例えばこの間ニューヨークであの大変な事件がありましたけれども、そのときに、例えばニューヨークではそういう警察官たちのためのメンタルヘルスを、カウンセリングを設けて、ちゃんと心のケアをしているわけですね、大変な情景を見ているわけですから。
 私は、日本の警察官も日々いろんな事件と遭遇して、大変につらい思いをしていらっしゃるんじゃないかと思うんですね。それに対して多分組織の中では、何、おまえ男だろうがと、こういう言葉がまだはやっているんじゃないかと思うんです。男だろうが、そんなことでめそめそしているんじゃないよ、そんなことでめげるんじゃないよ、そんなこと言っていたら役に立たない、男だろうが、こういうことはぐっとこらえてと。多分、そのような強さと優しさのあめとむちでまだケアしているんじゃないかという私はおそれを抱いています。実はそういうことじゃないんだと思うんですね。
 そうしたら、ちょっと調べていたら、やはりメンタルケアのことを考えていらして、そこでは弱さを認めてもいいんだよみたいなことを言っていらっしゃるようですね。ええと、どこかへ行っちゃいました、資料が。弱さを認めていいと。どこだったかな。そういうことをおっしゃっていらっしゃるんですね。
 弱さを認めていいということはどういうことで言っていらっしゃるんでしょうか、メンタルヘルスに関してです、警察官の。お願いします。


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○政府参考人(石川重明君)

 委員御指摘のように、警察の現場は大変事件、事故が増加をしておりまして、業務の負担も多いわけでございますし、また殺人事件とか交通死亡事故の現場といったような悲惨な現場で仕事をしなければならないということで、大変ストレスを感じておる職員が多いというふうに私どもも思っているわけでございます。
 そういう意味で、このメンタルヘルスの問題というものは大変重要であるという認識のもとに部内で委員会をつくりまして、いろいろメンタルヘルス対策というものを検討いたしました。そして、部外の研究機関にもいろいろな警察官の悩み事を聞いてもらったりして、そういうものを分析いたしましてガイドラインを作成いたしました。
 その中心になってガイドラインをつくっていただいた外部の委員の中に小田晋先生がおられるわけなんでございますが、この方が、結局、消極的に何かがあったときに精神衛生的なものを考えるというよりも、むしろふだんから積極的な、そういう精神的な、心理的な健康管理というものを行うべきであると。こういうことで、それに役に立つ、元気が出る、心の元気をつくる十カ条というものをそのときに私どもに教えていただいたわけであります。その中の一番最後の部分に、弱さを認める勇気を持とうと。
 こういうことで、一たんいろいろな相談機関を部内外に持てば、一般に精神科医とかそういうところに相談するというのは何か行きづらいと、こういうような気になる、あるいは自分の悩み事が外に出てしまうんじゃないだろうかといったような心配もあると。そういうことはプロはないんだと。その秘密を、いろいろな悩み事の個人の秘密というものを外に出すようなことはプロはしないんだと。
 そういうような意味で、精神的な落ち込みや心の不調、悩み事などでカウンセラーのところへ行っていろいろな受診をするということは決して警察職員としての不適格者を意味するものではない。必要なときに積極的にそういう相談をしたり受診をすることがストレス社会を生き抜くための生活の知恵なのであるということで、うつ状態あるいは心身症にもなり得る自分の弱さというものを認める勇気も時として必要なのであるということをおっしゃったわけでございます。


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○委員長(佐藤泰介君)

 大変失礼ですが、あと二分でございますので。



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○田嶋陽子君

 あと二分。いっぱいあります、言いたいこと。わかりました。
 じゃ、とにかくそれはこれから全国に広まってちゃんと。警察はマッチョですよね。怖いですよ。すごく怖いですよね。もう怖い警察ははやらないということを覚えておいてください。
 それから、生活安全部局というのがありますね。今いろんな法律ができて、例えば児童買春、児童ポルノ禁止法、ストーカー規制法、児童虐待法、ドメスティック・バイオレンス、いろんなものができて、警察官の人たち大変だと思うんですね。
 私が関心があるのは、そういう人たちはこの新しい事態にどう対応しているのか、そのための教育をきちんと受けさせてあげているのかということ。というのは、私は教師でしたから、学生たちが痴漢に遭ったときの渋谷警察、言っちゃいかぬ、何かいろんなところの警察署でお巡りさんの対応がひどいんですよね。実にひどいんです。さっきはいいこと言っていらっしゃいましたが、違うんですよ。だから、そういうことをもっと、そのことが一つ。
 それから、生活安全部局というのは七%ぐらいしか人がいないということですね、全体の中で。でも、これからそういうところが非常にはやるといいますか、大きくならないといけないところですよね。今度五千人も警察官をふやすということですけれども、果たしてそこにはどのぐらいの人が行くんでしょうか。
 それからもう一つ、もう言えないと思いますけれども、言っちゃいますけれども、その生活安全部局というところは非常に過小評価されているところで、そこで働いている人たちはみんなバーンアウトしちゃうということですが、本当ですか。要するに、そこにいる人たちは、おまえこんなことをやっていたって出世しないよとか、何か犯人を捕まえて検挙するみたいな誉れもないしとか、とても何か寂しい部署なんだそうですけれども、いかがなものですか、違いますか。


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○国務大臣(村井仁君)

 大変警察に御理解をいただいて、いろいろ御質問をいただいておりますが、この生活安全部局、確かに非常に広い分野につきまして仕事をしているということは事実でございまして、そういう意味で、私ども今度何とか五千人増員を図りたいと、こういうふうに思っておるわけでございますが、本当のことを申しまして、実は一万人足りないわけでございます。それで、とりあえず五千人増員をするということでございますが、この中には、ストーカー対策を初め、今委員御指摘のように少年事件対策ですとか、覚せい剤事犯対策ですとか、こういった生活安全部門の要員が多く含まれることになるだろうと私ども考えております。
 それから、生活安全部、これは生活安全局長も、例えば現在、何といいましょうか局長の中で最もシニアな局長でもいらっしゃいますし、決して委員御指摘のようなそんな部門じゃございませんで、私も生活安全局から説明を聞く機会というのは非常に多いということでございまして、まさに警察の私は花形だろうと、こう思っておるわけでございます。また、それでなきゃいかぬと思っております。そういうふうに御理解をいただきたいと存じます。


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○田嶋陽子君

 これで発言を終わります。
 委員長、一言だけ。


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○委員長(佐藤泰介君)

 時間ですから後日にお譲りください。恐縮です。

 

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~