児童虐待防止に関する質疑    

 2001年11月19日 

●共生社会に関する調査会 


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○田嶋陽子君

 まず、この児童虐待問題について厚生労働省がお出しになったこの中に母性という言葉を一言も使っていないと先ほど後藤さんが指摘なさいまして、大変鋭いと思いますが、それはすばらしいことだと思います、後藤さんと私は反対の立場で。
 やっぱりその原因は母性の欠如でもなければ、先ほど小泉さんがおっしゃった特殊性だとか異常性の問題でもないんですね、この児童虐待というのは。言ってみれば、インフルエンザの菌に感染したようなものでして。ですから、病気としてその虐待する加害者は治療しなくちゃいけない、そのぐらいに思ってこれに対応してくださらないとどうしようもないと思うんです。やっぱり物の考え方が大事だと思うんですね。そういう意味で、私はまず母性という言葉を使っていなかったことを大変評価します。
 ですけれども、一方で母子手帳とかなんとかという言葉は使ってありますね。これ言葉、変えていただけませんか。今、親業という言葉がはやっていますね。これを親手帳でもいいですし、それで中で、例えばお乳をくれるお母さん、お父さんも近ごろ人工のお乳つくって上げている人もいますけれども、その中で母子とか父子とかもし分けるんなら分けていただいて、手帳の名前は親手帳、(「親子手帳」と呼ぶ者あり)はい、親子手帳、それがいいと思うんですよ。そんなふうに変えていただきたいと思います。それでないと、やっぱり母性の欠如という言葉はとても母親を追い詰めてしまいますよね。そのことを一つ申し上げたいと思います。
 親業訓練という言葉が近ごろはちまたでもはやり出しておりますし、ぜひ厚生労働省でもその言葉を入れていただきたいなと。その辺に関しては、どうでしょうか。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 後で南野副大臣からお考えの御披露があるかもしれませんが、今母子手帳の様式、内容の見直しを行っておりまして、それについて副大臣、大変強い御関心をお持ちで、私どもにいろいろ御指示をされております。
 名前を変えることについてはちょっと考えさせていただきたいというのが私の当面の答弁でございまして、というのは、母子手帳というのは子供の養育の記録だけではなくて、まず女性が妊娠中の記録を書くというところがあるわけですね。それはもう女性特有の分野なんです。子供が生まれた後の養育のところは母親だけではなくて父親も参加するということでございまして、そのことについては先生のお考えと全く同じでございます。
 そして、今やっておりますことは、母子手帳の、子育てというのは父親、母親両方でやるものだという観点から今総ざらいをして、母親の多くの方が働きながら出産、育児をするという現状も踏まえて、その内容を今見直しているところでございます。


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○副大臣(南野知惠子君)

 今、岩田局長がお答えになったとおりでございますが、その中にも父親もコメントを書けるのをというのを先ほど申しました。そして、健康手帳の表には母の氏名、子の氏名となっているんです。もし夫婦別姓であれば、また父親のところも書いていかなきゃならないなと。そういうものも含めて今検討いたしておりますので、できばえを見ていただきたいと思っております。




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○田嶋陽子君

 ぜひ意見を取り入れてほしいと思います。
 次に、私のもし意見が揚げ足取りになったら言ってください。私は聞いたとおりのことでお聞きします。
 さっき岩田局長は、最終目標は子供を家族に戻すこと、これが最善だとおっしゃいましたけれども、私はこの考え方はおかしいと思います。子供が幸せを感じて暮らせる状況が一番だというふうに考えるんですね。ですから、実の親でもいいというふうに思うんです。その意味で、もし家族に返すのが一番だというふうに思っていたら、じゃ養子縁組をした親はどう思うんだと。困るじゃないですか、寂しいじゃないですか。それから、里親だって、自分たちが本当の親と思ってもらえないで里親を二年間、しかも二年間なんて限界つきですよね。これも私はどうかと思うんです。
 だから、あくまでも子供を中心にして、このことをさっき吉川議員もおっしゃっていたと思うんですけれども、子供が一番幸せを感じる場所はどこか、そこをきちんと見きわめるシステムをつくってほしいと思いますが、いかがでしょうか。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 家庭に戻すのが最終目的であるというのはもう少し丁寧に御説明すべきだったと思います。
 多くの場合は、家庭に戻して親子の関係が再構築できるのであれば、それは願ってもないことであるというふうに思いますけれども、それが難しいときには、それにかわる家庭的な育成の環境をどういうふうに子供の幸せのためにつくっていくかということでございまして、その結果、里親の力をかりるとか児童養護施設で責任を持って養育するとか、さまざまなやり方があろうかというふうに思います。
 また、専門里親についても、二年間というふうに申し上げましたけれども、これは比較的軽度な虐待児、あるいはせいぜい中程度の虐待児で、本当に重い子供はなかなか難しいというふうに思います。そういうことで、比較的軽いか普通程度の子供であるということと、二年というのは一応の目安でございますから、それまでの子供の回復の状況ですとか親の変わりぐあいなんかを見て、そこは弾力的に運用したいと思います。


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○田嶋陽子君

 考え方ですから、基本を今申し上げています。
 それで、先ほど副大臣がおっしゃったことで、子は親を選べない、これはそのとおりだと思います。生みの親より育ての親なのかどうかは時間がたたないとわからないとおっしゃっているんですが、幼児虐待が起きているということは、生みの親でさえもいい親になれるかどうかは時間がたたないとわからないということですよね。そこのところをもう一度考えていただきたいと思います。
 里親が人間的人格を持ってほしいと、かどうかは大いに検討しなきゃわからない。こうだったら親だってわからないわけですから、これは今度里親の立場に立ったときに、やっぱりそこのところはもう少しきちんとした視点に立ってほしいなと私は思いますけれども、いかがでしょうか、副大臣。


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○副大臣(南野知惠子君)

 それは私の希望を述べたところでありまして、すべてが整う人間がいればそれが一番望ましいと。だから、大人は大人らしく社会的に成長してほしいとも思っております。


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○田嶋陽子君

 私は、その大人らしくとか親らしくのらしくがいろんな問題を起こしているように思います。揚げ足取って申しわけございませんが、揚げ足じゃなくて本当なんですね。私らも女らしくしなさいとか言われると死にそうです。そうでしょう。男の人だって男らしくしなさいと言われればもうみんな大変でしょう、しゃっちょこばっちゃって。
 だから、その親らしくが、私はある意味では親たちに幼児虐待を引き起こさせる一つの心理的な親に対する虐待にもなっていると思うんですよね。そこのところを、いかがでしょうか。


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○副大臣(南野知惠子君)

 らしくというのを使っている人間は多分年をとった人間かなというふうにも思いますので、先生との年齢のギャップがあるのかもわかりませんが、やはり他の動物と比べて人間というような生き方をやってほしいと思います。


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○田嶋陽子君

 私はいっぱい聞きたいことがあるんですけれども、あと数分しかありません。七分です。
 そこで、先ほど局長さんが三つのこと、これはお名前忘れましたけれども、平田議員だと思いますが、新聞からのあれで、初期対応が悪かったとか複数の部がまじっていたとか、要するに児童虐待で死なせてしまった子供の場合ですね、あと適切な援助計画がなかったとか、その三点を挙げて、これはあいまいとなっているとおっしゃいましたけれども、私もこれは大変あいまいだと思うんですね。
 そこで、神戸の事件を例にして、私は神戸の事件は裁判記録がみんなに渡っていると思うんです。ここにちょっと持ってこなくて悪いんですけれども、皆さん新聞でお読みになったと思うので、その神戸の事件を一々どこが悪かったか、児童相談所と施設の長、その人たちの判断がどこでどう間違ったか挙げていただいて、そして今度、この十三年の十一月十九日にできたこれ、それをどうここに生かしているか、指摘してほしいと思います。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 神戸の事件については、やはり一番の問題は、最終的な退所ではありませんでしたけれども、一時帰宅をさせるというその判断のタイミングだったというふうに思います。
 私どもは、「子ども虐待対応の手引き」というのをつくっておりますけれども、その中でも、一時帰宅をどういう形で認めるか、親との面会や外出をどういう形で認めるかということについては子供を預かっている児童養護施設だけの判断ではなくて、必ず児童相談所、この児童相談所の方が親を指導しているわけです。親をカウンセリングしているわけですから、児童相談所の方とよく協議をして決めてほしいということを示しておりますけれども、これが必ずしもできなかったというところが一番まずかったのではないかというふうに思います。


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○田嶋陽子君

 済みません、質問の途中なので申しわけないんですけれども、私の手元にあるのは、まず十日間の一時帰宅を許可したときに、県の規定では八日以内ならセンターとの事前協議が必要となっているがとあるんですけれども、事前協議をまずしていないんですよね。それから、恭一君は家に帰るときに帰るのを嫌だと言って涙ぐむんですね。ここで恭一君の声を聞いていないんです。一番肝心の本人の声を聞いていないんですね。
 それからもう一つは、八月四日、土曜日です。いいですか、大体日曜日に事件は起きるんです。それなのに、土曜日に知子被告から尼崎学園に、もう学園には帰さぬと興奮した電話が来たときに、尼崎学園は驚いて児童相談所に連絡するんですね。そうしたら児童相談所は何と言ったかといったら、週明けに訪問すると告げるんです。でも、普通の常識でも事件は家族団らんのときに起きるわけで、案の定、五日、翌日に殴ったりけったりの事件が起きて、七日、脳内出血ですよね。
 これ、私はここの相談所そのものは責めませんけれども、行政の視点からどのように反省なさいますか。これは殺人を無視したというか見ないでおいたというか、それぐらいひどいことのように私自身は憤っているわけですけれども、行政の視点からどんなふうにここをごらんになりますか。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 まず、法制といいましょうか、仕組みがどうかということにつきましては、例えば児童養護施設から一時退所させる、これは法令上の用語でいいますと措置の停止ということになるわけですが、措置の停止を行う場合には児童養護施設が児童相談所に事前に届け出をするということになっておりますので、仕組みとしてはそういう形でできていたわけでございます。
 八日間以上の外泊の場合にどういう手続をとるといったような、そういうレベルのことについては、これは兵庫県の中でのルールでございまして、国全体のルールではございませんけれども、いずれにしろ、国の児童福祉法あるいはその施行規則も含めてですけれども、その体系の中で子供を一時帰宅させるときのルールをどうするかということについては体系ができておりましたし、また県レベルでも体系はできていたというふうに思いますが、それがしっかり履行できなかったというところが問題だと思います。
 また、おっしゃるように、事件というのか、事態の変化が週末に起こるときにどうするかということについては、組織としての意思決定というのはなかなか週末はしにくいというところがございますけれども、週末には児童相談所の担当者が危険性がある場合にはしっかり判断をして、その判断をした上で事後に、週明け早々の組織としての検討会議に、ケース会議に報告をして、それを確認するというふうに指導いたしておりますし、そういうルールをさらに徹底したいというふうに思います。


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○田嶋陽子君

 もう時間がないので必死なんですけれども、要するにこの尼崎学園は、その母親が子供を帰さないと言ってきたときに不審に思って児童相談所に家庭訪問を依頼するんですね。ですけれども、児童相談所は何と言ったかといったら、母親が直接来たのにすぐ行くのもどうかと迷いって、これ、世間体とか何だか知らないけれども、虐待する親に対するきちんとした所見も見識もなくて、単なる人間関係で動いているように思うんですね。そして、二、三日中に訪問すると言っていたんだけれども、もうそのときには殺されているという、そういう状況ですよね。
 だから、私がここで言いたいことは、もう結論を言ってしまいますと、ここでは施設の人たちは必死なんですけれども、施設の人たちに対して相談員の人たちがきちんと対応しない。その一つ、それは私が思うには、まず施設の人たちがこの児童虐待法に関しても無知だし、それから児童虐待とは何かに関してもきちんとしたトレーニングを受けていないということですよね。これって致命的だと思うんです。だから、本当に私はこれをやる気だったらきちんと講習を受けさせて、さっきの相談員のことも、二年ぐらいで資格やったって、こんな大事な人の命にかかわることはすぐ対応できることじゃないですよね。だから、私はきちんと予算をつけて真剣にやってほしいということが一つ。
 それからもう一つ、児童相談所の相談員たちはもしかしたらバーンアウトしている。もう、一人が百件以上の件を抱えさせられて、非常に大変なところでみんな燃え尽きちゃっているという話もよく聞きます。すなわち、そういう人たちがこうやって何でも出足がおくれるというのが一つの証拠ですよね、私の素人から見たあれでも。ですから、そのバーンアウトするような状況を国レベルできちんと変えていく施策をしないとどうしようもないんじゃないかなというのが一つあります。
 それからもう一つ、提案です、もう時間がないので。
 子供たちの教育、文部省の方にお伺いしたいです。この児童虐待を受ける子供たちに対する教育はどんなものをなさっていらっしゃいますか。児童虐待を受ける子供たちへの教育なんといったって、児童虐待、だれが受けるかわかんないんだから。だから、児童虐待を受けそうになったときにどう対応するか、どんなふうな教育をしていらっしゃいますか、文部省。


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○会長(小野清子君)

 時間がありませんので、簡潔にお願いをいたします。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 児童相談所のバーンアウトのことを先生おっしゃいましたのでお答えしたいと思いますが、私どもも、児童相談所が児童虐待問題に果たす中核的な役割を考えましたときに、まずその職員の数も含めて体制をしっかり充実すること、それから質ですね。研修プログラムを拡充いたしまして、引き続き研修については意を用いたいというふうに思っております。
 そして、既に御答弁の中で申し上げたんですが、今年度から横浜市に虐待・思春期問題情報研修センターを設置しておりまして、来年度からは本格的な研修が始まるということでございますので、こういうセンターも活用してぜひ質の向上も図ってまいりたいというふうに思っております。
 冒頭、当初、神戸のことでおっしゃいました、親が来ているんだから家庭を訪問するというのはもういいんじゃないかというふうに言ったという児童相談所の話がございましたけれども、おっしゃるように、ややもすると保護者との関係、保護者を指導して保護者に変わってもらわないといけないということで、保護者との関係を非常に児童相談所は気遣うという、このことは大変大事なわけですが、そのことの結果、子供の安全の方が後回しになっちゃうということもございますので、もう何よりも子供の安全確保を前面に出した児童相談所の運営にしたいというふうに思っております。


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○副大臣(岸田文雄君)

 先生、虐待を受ける子供に対する教育ということ、要は子供が自分で自分の身を守る教育、そのことを御指摘だと思うんですが、これは大変重要な教育だと思っております。
 例えばアメリカで生まれたCAPプログラムというのがあります。ディスカッションとかそれからロールプレーイング、こういったものを通じて暴力に対して子供がどう対処するか、これを学ぶ方法、プログラムでありますけれども、こうしたプログラム、日本においては民間団体等がこの普及、紹介に努めておりまして、事実、学校においては一部これを取り入れている学校がございます。大変、文部科学省としても今注目しております。この状況につきまして引き続き注目していきたいと思っております。

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~