児童虐待防止に関する質疑     

2001年11月21日 

●共生社会に関する調査会 


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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。よろしくお願いします。
 最初は、警察庁に対してお伺いしたいと思います。
 現場で児童虐待防止のために働いている人たちが、ことしの六月に児童虐待防止法の改正を求める全国ネットワークを結成しました。九月に行われたシンポジウムで、これまで各地の虐待防止ネットワークに参加してきた生活安全部局、局長さんのいらっしゃるところですね、そことは連携がとれて、とても生活部局に対しては評価が高いんですけれども、一方で刑事部局が児童虐待の最前線に立つことに関してはいろいろ批判があるようなんですね。
 そこで、三つほどお伺いしたいんですけれども、警察は生活安全部局を中心にして、これまでほかの機関と、先ほどのお話もありましたように、いろいろ連携して児童虐待防止に取り組んでいらしたわけですけれども、刑事部局は、生活安全部局が持ってきたノウハウをどのくらい共有していらっしゃるんでしょうか。簡単にお願いします。


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○政府参考人(吉村博人君)

 お答え申し上げます。
 警察署で考えますと、いろんな仕事を警察署でやっておるわけでありますので、その中で刑事課がありましたり、あるいは生活安全課、あるいは少年係がありましたり、いろいろ仕事を分担してやっておりますから、いわゆる事件の捜査をするというのを直接、特に刑法犯の事件を捜査するというのは刑事課になると思いますし、いずれにせよ、この種の児童虐待事案について、刑事課としましても、その署の中の生活安全課なり少年係と十分連携した上で、事件に……


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○田嶋陽子君

 その十分な連携というのは、さっきからずっと生活安全局長がおっしゃっているので、じゃなくて具体的にお聞きしたわけですが、なさそうですので、次に行きます。
 刑事部局には捜査上の守秘義務があると思うんですけれども、そのせいかどうか、児童相談所とか医療機関などのほかの機関と連携して動くという、そういう認識は先ほどからあるあるとおっしゃっているんですけれども、具体的にそういうことをしていらっしゃるのかどうか。
 ということは、私の手元にありますところでは、弁護士とか児童相談所職員などの意見をまとめると、児童相談所から警察に対して刑事告発するケースがふえてきているというんですね。なぜかというと、児童相談所は警察に対して情報を提供するけれども、警察の刑事部局は児童相談所に情報をフィードバックしないと、こういう情報があるんですけれども、例えばこういうことを一つとっても、そのあたりをどのようにお考えでしょうか。


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○政府参考人(吉村博人君)

 先ほど申しましたように、刑事部門はあくまで捜査の仕事をやっておりますから、警察の中においては主として生活安全部門が中心になって平素から児童相談所等との連携をしているということでありまして、刑事部門はですから当該生活安全部門と連携を図ることを通じて、児相あるいは保健医療機関、学校等と連携をしているというふうに整理できるのではないかと思います。
 それから、児童相談所からいろいろ告発を受けて事件処理をする過程におきまして、先ほど御質問にもありましたが、これは事件の性格に応じて、児童虐待の事件に限りませんけれども、例えば被疑者が少年の場合等々のケースでは、刑事だけではなくて、中に少年係の職員を入れたり、そこを具体的な連携ということでは今申し上げましたようなこともしております。
 今、先生がおっしゃった情報のフィードバックという、その情報がどういう意味かというのがちょっと必ずしも明確でない面もあるんですが、こういうことで刑事事件になります、やってくださいということで署の刑事課に事案が寄せられますと、それは当然事件処理をしていきます。それを一〇〇%全部被害者の方等にお教えできるのかどうか、関係者にお教えできるかというのは、確かにちょっとケース、ケースで考えていかなきゃいかぬ面もあるのではないかと思います。


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○田嶋陽子君

 ありがとうございます。
 じゃ、その刑事部局と今局長さんのいらっしゃる生活安全部局と、そして児童相談所と三位一体どころでなくて、いろんなことで連携しなければいけないと思うんですけれども、ぜひその辺を密に、あるいは知的に効率よく、あるいは思慮深くやっていただきたいと思います。
 じゃ、法務省の方に質問いたします。
 私の感じでは、まだ日本というのは家父長制のもと、子供は親の附属物というそういう考え方がはびこっていて、いろんな意味で子供の側に立ち切れていないところがあるんじゃないか、そんなふうに思っているんですけれども、例えば八百二十一条に「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。」とか、子供という未成年に居場所を定めなければならないと義務づけたりしているわけですよね。
 それに対して、例えば、去年ですけれども、十一月十六日に開かれた衆議院の青少年問題に関する特別委員会では、民法の親権の身上監護権の中の懲戒権に関して、八百二十二条ですね、これに関して当時の細川清法務省民事局長がこういうふうにおっしゃっていらっしゃいます。「親権者が子の監護上、子の非行や過誤を矯正して、それを指導するために、必要かつ相当な範囲内で子に対して一定の措置をとることを認めたものでございまして、私どもとしては、これは合理的な制度だと思っているわけでございます。」とお答えになりましたけれども、その後、児童虐待防止法を成立させるに当たって、衆議院の青少年問題に関する特別委員会でもこの懲戒権、八百二十二条はなくすべきだという意見が多く出されたんですけれども、それは三年後の見直しの課題とされたわけです。
 現在は、法務省の見解はそれ以後変化していらっしゃいますでしょうか。


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○副大臣(横内正明君)

 確かに懲戒権というのがありまして、そしてその懲戒権の中には一定の合理的な範囲内で体罰も含まれるわけですね。したがって、この懲戒権というやつが児童虐待を助長するのではないか、廃止したらどうか、こういう御意見があることは確かなんです。
 しかし、この懲戒権というのは親が子のためにやるものであって、子供を死に至らしめたりあるいは傷害をさせたりあるいは心理的な虐待を加えるというような、いわゆる児童虐待と言われるような行為がこの懲戒権の行使として許されないものであることは当然でありまして、懲戒権の行使というものと児童虐待というのは明らかに区別されるべきものだというふうに考えておりますので、当時と考え方は変わっていないということでございます。



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○田嶋陽子君

 変わっていない。でも、大体親はあんたのためだよ、愛のためだよと言いながらむちを振るって殺してしまう、もうこの経過というのは決まっているわけですよね。ですから、そこのところをこれからもう少しお考えいただきたいと思います。
 それでは、先ほど、ことしの八月に法務省法務総合研究所が発表した、二千三百五十四人の少年院在院者を対象にした児童虐待に関する調査で、とてもいい調査をなさったと思います。少年院に在院している少年少女の半数以上が虐待された体験を持つということが明らかになったということですよね。
 このことに関しては、法務省、先ほどの調査計画として、来年は一般人を対象にまた調査をしていくということで、こちらで得ている情報ですと、虐待経験の有無だとか、被虐待経験者にはどのようなサービスが必要だったのかとか、それから、例えば虐待されても人に暴力を振るう人と振るわない人がいるけれども何が歯どめになっているのかとか、こういうことを調査していこうとしていらっしゃるわけですね。そして、これまで少年院在院者など非行化した人を対象にした調査はあったんですけれども、この一般人を対象にした調査をすることによって比較対照できるということはすばらしいことだと思うんですね。
 私としては、これにさらにつけ加えていただきたいのは、先ほど段本議員もおっしゃったんですけれども、何でしたっけ、段本さんは抜本を見なきゃいけない、虐待の抜本を見なければいけないというようなことをおっしゃったんですね。
 私は、その抜本を見るためには、ここでとまらないで、その父親、母親のバックグラウンド、生い立ち、これを調べないと、よく言われている虐待のサイクルというのはなくならないんじゃないか。だから、虐待の場合はやっぱり親まで、あるいはおじいさん、おばあさんまで、そこまで調べていっていいと思う。この虐待の毒というのは私はある種の遺伝だと思っていますから、環境による、環境遺伝子ですね、ですからそこまでできれば調べていただきたいなと。親の個人史ですね、背景まで、祖父母の背景までも調べていただけば、そこで一つの根っこがわかってくるんじゃないかということを思うので、ひとつお願いしておきたいと思うんですが、そのことに関してはどうでしょうか。


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○副大臣(横内正明君)

 委員が御指摘になりましたように、来年は一般市民に対して同じような調査をしたいというふうに考えておりまして、大体一万人ぐらいを対象にしまして、その虐待の内容だとかその他もろもろの調査を行いたいと……


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○田嶋陽子君

 それは知っています。次をお願いします。


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○副大臣(横内正明君)

 委員のおっしゃった親のそういった過去の履歴、経歴といいましょうか、そういうことまでやるということについては今のところ考えておりませんが、しかし一つの御指摘として将来の検討課題にしたいと思います。


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○田嶋陽子君

 ありがとうございます。ぜひぜひ頑張ってください、予算をとって。
 それからもう一つ。私が一番、神戸の勢田恭一君のことで怖かったのは、今もって考えると震えちゃうんですけれども、親が恭一君を相手にして、家と施設とどっちがいいか答えなさいと言ったら、勢田君は怖いから家がいいと言ったら、お母さんが、うそ言うんじゃないよ、本音言えといって殴ったわけですね。そして、恭一君が正直に施設の方がいいと言ったら、そのときから殴られて死んじゃったわけですね、脳内出血で。
 一体、ここをだれが見て、だれがこの状況から恭一君を救えるかということですね。警察庁も裁判所も、その後のこととか予防のことはいろいろ考えていらっしゃるが、私が一番怖いのはここなんです、ここですよ。
 だから、ここをどういうふうに考えていらっしゃるか、もしかしたら管轄外とおっしゃるかもしれないんですけれども、御意見をお聞かせください。
 どなたに聞きましょうか、家庭局長さん。


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○最高裁判所長官代理者(安倍嘉人君)

 私どもといたしましても、本当に今、委員が御指摘のような痛ましい事件を見るにつけて、どこで手を差し伸べれば防止できたんだろうかということを考える材料でございまして、いろいろ考えているところでございます。
 ただ、家庭裁判所といたしましては、一般的な形でいろいろネットワーク等に御協力することはやぶさかではございませんし、現に参加してきているわけでございますが、やはり事件が来て初めてのことでございます。家庭裁判所は、進んで事案を探すことはなかなか難しい、その制約があることは御理解いただきたいと思っております。


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○田嶋陽子君

 わかりました。ありがとうございます。
 さっき、結局、この児童虐待というのは命のとうとさがわかっていない親がやると言うけれども、これは違うんですね。命のとうとさがわかっていてもやってしまうのが児童虐待なんですよね。ここを何とかしなきゃ。要するに一つの病気で、インフルエンザにかかったものと私はこの間言いましたけれども、そういうところがあるのと、それから、説諭されてやめる親とそれでもやめられない親がいるわけですよね。
 ですから、子供に対するカウンセリングと同時に親に対するカウンセリングが必要なわけですが、私は、とりあえず子供に関しては、虐待サイクルを絶つために子供自身の問題で見ていくと、法務省の法務総合研究所の古田薫研究官が研究して出したところに、自己評価が低いとか自尊心が低いとか、不遇感、不信感、それから愛情欲求が強いとか、自分のことしか考えないとか、自分のことしか考えないのは自分がそれだけ苦しんでいるからですよね、そういうものを挙げているわけですが、私は、これは従来の、これまでやってきた、日本でやっているカウンセリングではだめだと思うんですね。
 私が大学でも、元教員のときにやっていましたのがリエバリュエーションカウンセリングというので、自己再評価、再評価カウンセリングというんですね。これはちょっと違うので。
 例えば、私はこの間テレビを聞いていましたら、町で見つけた中絶した女の子に何ということを言うかというと、あんた、女でしょうというような言い方から始めて、それから、好きな人ができたときに本当に好きな人の子供を産めないよとか、そういう言い方のアドバイスなんですね。でも、その子たちは、さっきもお話しくださったように、児童虐待を受けていると薬物だとか飲酒だとか家出だとかあって、根はもっと深くて、そんなことの説諭ではどうにもならない状況にいるからその辺をふらふらしているわけでして。
 ですから、私は、子供に対して、それから親に対しても新しいカウンセリングの方法で、日本ではまだ入ってきたばかり、十年ぐらいのものですけれども、ぜひRCと言われているリエバリュエーションカウンセリングをやっていただきたいなというふうに提案したいんですね。
 それで、そのことに関してはどんなふうにお考えでしょうか。もしかしたら管轄外だとおっしゃいますか、でももしかしたら、御意見聞かせてください。


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○政府参考人(鶴田六郎君)

 今のお答えのうちの少年に関する部分は、非行少年、そのうちの少年院送致の決定を受けた少年を収容して矯正教育をするというのは少年院の仕事ですので、その観点から申し上げますと、少年院に対しましては、いろいろ個別面接とか、そういうふうな形でやっておりますけれども……


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○田嶋陽子君

 そのことはいいです。もう調べましたからわかっています。今のリエバリュエーションカウンセリングに関して、率直に。


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○政府参考人(鶴田六郎君)

 恐らく、過去に虐待の体験を持っている少年に対して、その更生させる一つの方法として、そういったRCという方法があるという御指摘だろうと思います。
 虐待がある少年に対しましてどういう処遇をしていくかということは、今の法総研の研究を踏まえて研究をしていきますけれども、御指摘も踏まえて、今後また福祉心理学その他の知見も参考にしながら研究していきたいと思います。


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○会長(小野清子君)

 ちょっと速記をとめてください。


   〔速記中止〕


○会長(小野清子君)

 速記を起こしてください。




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○田嶋陽子君

 要するに、考えてくださるということですね。それだけで結構です。ありがたいです。
 それで、もう一つですけれども、私は生活安全局長にも、それから家庭局長にも、皆さんにお伺いしたいんですけれども、私は、そういう、例えばさっきテレビで見た忠告の仕方、生活安全局の人たちの説得の仕方を見ていて、ああ、これじゃだめだな、子供はもっと悪くなっちゃうなと思うんですけれども。一つには、ジェンダー教育をどれだけ取り入れていらっしゃるか、具体的におっしゃってください。これまでジェンダー教育を、例えば家裁の調査官とか家事審判官とか、生活安全局でお巡りさんたち。私が出会うお巡りさんはとてもいいお巡りさんが多いんですが、みんな善意によってセクハラするんですね。えっ、まだ結婚していないのとか……


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○会長(小野清子君)

 田嶋さん、時間になっておりますから。どなたに。


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○田嶋陽子君

 全員です。


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○会長(小野清子君)

 それは時間上ちょっと無理ですから、どなたかに絞ってください。


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○田嶋陽子君

 それでは、生活安全局長、お願いします。


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○会長(小野清子君)

 短く御答弁お願いします。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 御指摘の点につきましては、いろんな学校教育の場でありますとか、学校教育というのは警察部内における学校教養でございますけれども、そういった学校教養、あるいは各種会議等で、昨今の諸情勢にかんがみましていろいろと指導、教育をいたしておるところでございますが、先生には、まだまだ……


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○田嶋陽子君

 いろいろというのは、ちょっといいかげんですね。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 いろいろと指導をいたしておるところでございます。 

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~