ITERの日本誘致に関する質疑


●内閣委員会

2002年4月25日


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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。
 昨年十一月一日の委員会で、私は尾身幸次科学技術政策担当大臣に対して、国際熱核融合実験炉、いわゆるITERですね、その日本誘致を考え直していただきたいと申し上げました。それにもかかわらず、尾身大臣は今年三月の所信表明で、ITERの参加、誘致については、「科学技術の総合的かつ計画的な振興を図る観点から、速やかに判断を行ってまいります。」と熱く語っておられて、私は大変失望しました。
 ITER計画はもう時代後れの政策だと思います。アメリカでも、名城大学の槌田敦教授によりますと、もう、この五十年前に水爆の成功で始まったこの核融合の研究は、今では物理学者は既に見切りを付けてだれも手を付けていないということです。現在の研究者は工学者のみで、それは政府から研究費が出るからだと。そういう状況にあるというんです。
 それでもう、その意味でも私はもう、税金の無駄遣いですし、同時に、この危険極まりないITERは日本に誘致することはいけないことだとぐらいに思っております。原子力発電同様にITERに関しても、幾ら二酸化炭素を排出しないといっても、放射能を出しますし、それから処理に困る放射性廃棄物を産出しますし、廃炉のための研究はこれからという段階だからです。
 で、今年の一月三十日に開かれた総合科学技術会議では、財務省がITERの実施主体の文部科学省に対して次のような意見を出しました。誘致した場合、ほかの参加国の二倍の額を拠出しなければならないが、それだけの金額に見合う成果があるのかどうか。それから、放射化物の最終処理や安全確保などの責任、ほかの参加国が脱退するリスクなどに見合う又は上回る効果が得られるのかどうか。それから、十分検証の上、国民の理解を得る必要があるのではないかどうか。それから、原子力研究関連施設の廃止措置に要するコストの見通しを具体化する必要があるのではないかどうか。私は、この財務省の意見は非常に慎重であって、まだ救いがあると思います。
 そこでお伺いします、財務省主計局の方。財務省はこのITERに関してこれらの懸念事項がある限り予算を付けられないと考えていらっしゃるのですね。


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○政府参考人(杉本和行君)

 委員御指摘のITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、現在、総合科学技術会議において科学技術政策上の位置付け等について検討が行われているところでございます。
 私ども財政当局といたしましては、ITER計画に参加、誘致するための費用、これは巨額の財政負担を伴うものでございますから、こうした厳しい財政事情の下で、原子力分野の範囲内で確保することができるのかどうか、さらに、他の重要分野を圧迫することになることにならないのかどうか、費用に見合う若しくはこれを上回る効果が得られるのかどうか。こういった財政面の論点についても十分議論を尽くしていただくということが必要ではないかと考えておりまして、そういった議論を、視点を総合科学技術会議の方にもお伝えさせていただいているところでございます。
 いずれにしましても、今後とも、ITER計画への参加、誘致につきましては、財政上の観点をも踏まえた上で、総合科学技術会議において議論が広範かつ十分に行われていくものと考えております。


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○田嶋陽子君

 昨年十二月二十五日の会議では、次回以降の会議で計画の参加、誘致に関する最終判断を得たいとしていますけれども、尾身大臣は、今年三月の所信表明で、科学技術の総合的かつ計画的な振興を図る観点から、速やかに判断を行ってまいりたいとおっしゃっています。つまり、まだ最終判断は下していらっしゃらないわけですね。その最終判断を下していない、下せない原因はどこにあるのでしょうか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 総合科学技術会議におきまして、昨年十二月に、科学技術政策担当大臣、私自身と有識者議員が、我が国はITER計画に参加することが望ましく、さらに、これを誘致することに意義があるという考え方を示したところでございます。
 このITER計画に対する参加、誘致の判断につきましては、欧州、米国における動向やあるいは政府間協議の状況等が重要と考えております。特に、欧州におきましては、ITER計画に対する参加、誘致については閣僚レベルで検討に入っておりまして、これらを勘案して総合的にこの総合科学技術会議としては最終的な結論を出すことになろうというふうに考えている次第でございまして、基本的には前向きな考え方を持っております。

  


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○田嶋陽子君

 計画の発案国であったロシアはなぜ国内に誘致しないことに決めたのですか。


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○政府参考人(今村努君)

 お答え申し上げます。
 ロシアは、平成十三年六月のモスクワで開催されました政府間協議に関する四極会合というのがございましたが、その場で、ITER計画には極めて積極的に参加する姿勢であるが、基本的にサイト提案は行わないという方針を表明いたしておりまして、現状においてもこの方針は変わりないというふうに認識しております。
 このロシアが誘致をしない理由につきましては、その場で説明はございませんでしたけれども、それに先立つ四月、これは当時のロシアの原子力大臣が外国人記者との会見におきまして、ロシアは資金難のために立候補したいができない状況であるというふうに述べたというふうに承知いたしております。


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○田嶋陽子君

 それでは、なぜアメリカは計画から脱退したのですか。


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○政府参考人(今村努君)

 ITERの計画からの脱退ということにつきましては、ITERは工学設計活動を過去九年行いました。その六年の段階でアメリカは撤退ということに至ったわけでございますが、その段階でアメリカの政府は、そのITER計画、工学設計活動を継続するという方針を明らかにいたしておりましたが、それがアメリカの議会で支持が得られなかったということでございます。その理由は、ITERの建設がめどがなかなか立たないままに、当初六年と予定されておりました設計活動を三年延長したわけでございますが、ずるずると延ばすということに対してアメリカの議会が理解ができなかったというのが一番大きな理由であるというふうに考えております。


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○田嶋陽子君

 新型転換炉、原発「ふげん」の廃炉が決まりました。来年三月以降、運転を終了した後、廃炉のために必要な技術の開発や研究用に使うことになっています。ということは、原発「ふげん」は廃炉、解体後に放射能の影響を少なくするような技術の進歩はまだなかったということになると思うんです。
 で、お伺いします。ITERの研究プランでは、建設から廃炉、解体までのスケジュールはどのように想定されているんでしょうか。


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○政府参考人(今村努君)

 お答えを申し上げます。
 現在のITERの計画でございますが、これは工学設計活動を踏まえまして、今後の計画を立案、建設以降の計画を立案いたしたわけでございます。その内容によりますと、ITERは約十年掛けて建設をいたします、建設に約十年必要だということでございます。その後、約二十年間このITERを運転いたしまして、国際的に所要の共同研究、共同実験を行うということになりまして、廃炉、解体はその後のいわゆる廃止措置ということになるわけでございます。
 この廃炉、解体等廃止措置のスケジュール及びその費用に関しましては、ITERの実はどこに立地するか、立地サイトによってそれぞれ異なるという事情がございますために、今後の政府間協議の中で国際的なサイト評価を行い、明確にしていくものと、このようにされております。
 なお、廃止措置に要する費用につきましては、基本的な考え方は、参加国がこの運転期間中に積み立て、その資金を用いてITERの立地する国が廃炉、解体等を実施すると、こういう考え方になっております。


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○田嶋陽子君

 今、参加国と言われましたが、今のところはスペインなどEU等だけです。
 ところで、結局、原子力発電を始めたときに、将来的には技術が向上して放射能の影響を少なくさせることができるんだろうという見切り発車だったと思います。かえって今になって困っているんではないでしょうか。ただ作ればいいというのは、これまでの、そう言うと申し訳ありませんけれども、何でも後始末を女房にさせていた男の政治の典型だと私は思います。ただ作ればいいということとは違うと思います。ITERは実験炉ですから、いずれ解体することになるのは避けられないと思います。文部科学省によれば、原発「ふげん」の解体にも約八百四十億から八百七十億掛かるという、大変なお金が掛かるわけですね。
 その上に、先月、政府は地球温暖化対策推進大綱を公表しました。原発が二酸化炭素を排出しないことを重視して、これから国のエネルギー源として原発を推進していくということなんですね。私にすれば、これも時代に逆行していると思います。二酸化炭素排出量を抑えることがほかにも幾らでもいろんな選択肢があるのに、何ですぐ原発推進に結び付くんでしょうか。
 地球の生態系全体を考えると、二酸化炭素の排出以上に、放射能によって様々な被害が引き起こされているわけですよね。例えば、カザフスタン、フィンランド、イギリスの共同研究チームの調査によれば、四百七十回の核実験が行われたロシアの核実験場セミパラチンスク周辺地域では、住民の生殖細胞調査の突然変異発生率が通常の二倍になっているそうです。ましてや恒常的にITERの施設が設置された地域では何が起こるか、想像しただけでも恐ろしいと思います。チェルノブイリでは、原発事故の後、豊かな穀倉地帯が失われています。それから、アメリカのネバダ州では、先ほど議会のあれが、合意が得られなかったと言いますけれども、今、アメリカでも一生懸命考えていまして、そのネバダ州では核実験の後遺症として土壌が汚されて、そこに住む人々が苦しんでいるんですね。つまり、放射能汚染というのは大変恐ろしいことだということを原爆を受けた日本がまだよく認知していないというのはとても悲しいことだと思うんです。
 アメリカがITERから脱退するのもそういう背景があるということで、尾身大臣は四月五日の共産党の吉井英勝委員に答えてこんなことを言っていらっしゃいます。資源の乏しい日本が原子力開発を進めなければならないと考えていることはお話を申し上げたとおりでございますが、その中で、やはりウラン235は〇・七%しかない、だから、238を活用するためにはどうしても核燃料サイクルの確立が必要だと。プルトニウムの平和利用、有効利用ということは大変大事だとおっしゃっているんですが、四月二十三日の新聞、東京新聞と朝日新聞を見ましても、湾岸戦争でこのウラン238を、約三百トンの劣化ウランを多国籍軍はイラク側の戦車や装甲車に向かって撃ったわけですね。そうしたら、そのウラン微粒子が飛んで、もちろん亡くなった方は別として、そこにいた地域の人たちだけでなくて、兵士たち、アメリカの兵士たちも体調異常を来していると。例えば、子供たちに関しては、このような白血病の症状がいろいろ出ている。それは、一九九一年の湾岸戦争から十年たって子供たちに、母体から子供たちにと、こういう形でも伝わってくる、これがウラン238なんですよね。
 そこで、誘致に際して、尾身大臣にお伺いします、住民の意見を十二分にお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 今、田嶋委員のおっしゃったことは、ウラン、放射能の人体に及ぼす悪影響というようなお話がございました。ロシアの核実験の話、それからネバダの核実験の話、イランの、イラクのウラン弾の話、これは全部軍事用あるいは事故、そういうもので起こっていることでございまして、私どもが考えていますのは、この核エネルギーを安全にかつ平和利用として、エネルギーとして安全に活用しようということでございまして、軍事利用で人体に影響があったから平和利用で安全に活用することが駄目だいう論理は、国の将来を考える者として全く成り立たない論理であると私は考えております。
 したがいまして、原子力の利用、先ほども申しました核燃料サイクルの確立も含めまして、私どもは絶対の安全を前提としながらこれを進めていくことが日本のエネルギー問題の解決に必要であるという考え方の下にこれを進めているわけでございまして、委員の御批判は当たらないと考えております。


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○田嶋陽子君

 国策を預かる大臣としては随分楽観的に過ぎると思います。安全、安全と言いながら、日本でもいろんな事故が起きているわけですね。あれを見ていても、安全だなんということは大臣の口から言ってほしくないと思います。(発言する者あり)そうだ。そうですよ、まだ一杯あるんですよ。そういうことを覆い隠して、安全などということを大臣に言ってほしくないと思います。
 最近、この国会にもアメリカの環境問題の第一人者、レスター・ブラウン博士が見えました。そして、そこでレスター博士はエコ・エコノミーを提唱しました。その趣旨は何かというと、経済性のない環境対策は駄目だと言っています。こんな金食いITERは駄目なんです。金食い虫、イーター。で、彼が言うには、その安全性も確認できないような、その持続不可能な、そういうエネルギーは駄目なんですね。持続可能な枠組み作りをしなければいけない。
 私はITERについて聞きました。聞いたところ、彼が言うには、核融合、核分裂、いずれも経済性を考えると、先ほど安全性をおっしゃいましたけれども、経済性という税金を使うその立場から考えても、これは投資する国はもうほとんどないんじゃないか、将来性があるとも考えられないと言っていました。
 ですから、財務省、頑張ってください。闘ってください。駄目なんです、すぐにお金をやっては。
 それで、レスター博士は、私は、それでもブッシュ政権は石油、石炭を頑張っているわけですね。どうしてあなたたちはと聞いたら、自分たちはブッシュ政権の交代をにらんで、今、ブッシュ政権が替わった後、自分たちがどれだけのことができるか、一生懸命頑張って、シャドーキャビネットではないですけれども、シャドーエネルギー計画案を作っているわけですね。例えば、アメリカの三州、ノースダコタ州その他だけで、風力発電、その三州だけでアメリカ全土のエネルギーを補えるような、それを可能にする計画ができ上がっているということで、もう実行にも及んでいるわけですよね。
 ですから、私はやっぱり、尾身大臣が国家百年の計として尾身大臣の名をお残しになるんなら、やっぱり風力発電とか、水の電気分解による水素抽出、太陽電池などの危険性も高くない、しかもこれから経済性も出てくる、最近のニュースですと風力発電、もう昔みたいこんなでっかいのじゃなくて、自分の家の屋上にも掲げられるような、音の少ない、軽い、もっと風力の強いものが安い値段でできるようになっているんですね。日本の技術もどんどん進んでいるんです。ですから、むしろ危険性の全くないそういうものを使う方に頭を向けてほしいと思うんです。
 財務省担当者によると、平成八年に「もんじゅ」の事故があってから原子力研究機関関連予算は減っているし、ITER計画は三十年、五十年ぐらい掛かるために、この計画は本当に大丈夫かとの疑問を文部科学省に伝えているそうです。
 そこで、尾身大臣の国家百年の計はこれでもまだITER推進だとおっしゃるんですか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 今、このITERを進めている関係者の間で、核融合が商業ベースに乗る段階になるには五十年掛かると、こういう見通しになっております。それを、今、関係者、二十五年くらいで実用化できるような体制を作れないかということで今検討中でございますが、少なくとも、私たちの時代ではなしに、私たちの子供たちや孫たちの時代に、国土が狭い、資源が乏しい日本がエネルギー問題を解決するためにはこの核融合エネルギーを活用することが必要である。つまり、国家百年の観点に立ってこれを活用することが必要であるというふうに私は考えている次第でございます。
 その他エネルギーをやれやれということをおっしゃいますが、田嶋委員は、例えば日本の一次エネルギー供給の見通しの中で二〇一〇年度、今から約十年後にその他エネルギー、いわゆる新エネルギーと称する風力も含めたものがどのくらいのシェアを占めるというふうに考えておられるか私は分かりませんが、政府の見通しでは、一生懸命やっても三%、普通のやり方だと一・六%しか全体のエネルギーの中でシェアを占めないということでございまして、この少ないシェアのものでエネルギーの供給全体を解決するということは、現実に政策を担当している私どもとしては実現不可能であるというふうに考えております。
 したがいまして、現実に可能な方式で我が国に対するエネルギー供給を、安全で安定したエネルギー供給を確保するということが私どもの考え方でございまして、そういう観点から、国家百年の大計に立って、ITERの研究開発は、これからまたいろいろ検討させていただきますが、十分前向きに検討する価値があると考えている次第でございます。


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○田嶋陽子君

 では、これからいろいろ検討してくださるわけですね。


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○委員長(佐藤泰介君)

 田嶋委員、最後の質問にしてください。


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○田嶋陽子君

 はい。最後、もう質問ないです。お願いです。
 私はやっぱり、やる気がないから三%しかと言っているんだと思うんです。
 というのは、企業は、この原発のこと、もう嫌だ嫌だと言っているんだそうですね、もうお金ばっかり掛かって非難も多いしって。そういうところに無理して核融合のことをやらせることはないと思うんですよ。その人たちも、もっと安全で国民から好かれるものを作りたいと思っていると思うんです。だから、風力とか太陽電池とか、そっちで頑張ってほしい。私は、やっぱり国民の健康を損なうような政策は国益に反すると思います。
 よろしくお願いします。

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~