配偶者控除と配偶者特別控除の廃止についての質疑
               2002年12月10日
●内閣委員会



○田嶋陽子君

 無所属の田嶋陽子です。よろしくお願いします。
 私は、特区のことについてなんですけれども、大臣いらっしゃいますが、私がこれから質問することは、この間の十一月二十八日の質問のときにもそうだったんですけれども、答弁としては否定的な答えをいただきました。ですけれども、私は、この特区の成功、地方自治の経済を活性化するということは、その土地に住んでいる人々の自由度が高まらないとこれは成功しないと思います。特に、地方で働いているのは、女性たちはパートの女性で既婚女性たちです。その人たちが地方経済に活力をもたらすかどうかのかぎを握っていると私は考えています。
 一般論になりますけれども、女の人たちは男の人たちがやることに表舞台では参加させてもらえない状況が戦後何十年と続いてきました。例えば、女性の生き方は結婚が一番の幸せだと言われて、女性の場合は戸籍婚をすれば配偶者控除とか配偶者特別控除の税制上の優遇措置があったり、あるいは年金保険料を支払わなくても第三号被保険者として年金を受給できるというような、そういう制度上の特典が与えられました。
 ですけれども、それは裏を返してみれば、その特典、優遇措置と言われているものは実はサラリーマン男性への優遇であって、女性の立場に見ると優遇イコール女性の自由を抑圧するものであった。女性はその制度内で、働けば不利になるから、女性は自分の経済能力を実現できないままこうやって何十年もたってきた。
 確かに、戦後五十年、女性はそうやって男性を補助的に助けることで日本の経済は活性化してきましたけれども、時代が変わりました。今、男性たちは仕事がなかったり、いろんな意味で不景気のあおりを食らって仕事がなくなって、自殺する男性も増えてきたと言われています。今この時期に女性の足を縛る様々な制度、規制を解かなければいけないと思います。そして、特にもう子育ての終わった既婚中年女性の足をほどかないといけないと思います。その足が配偶者控除であり配偶者特別控除であり、そしてまた若い女性たちにとっては夫婦別姓の問題もあります。あらゆる、頭の先から足の先まで、女性は男性中心社会の中で、法律的に、社会慣習上からも規制を受けているんですね。その規制をまず、鴻池大臣は、ほかの大臣方とも話し合って、解放する方向に持っていきながらこの特区をやっていただきたいと私は思っております。
 先月、十一月二十八日の私の質疑に対して、財務省の加藤治彦審議官はこうおっしゃいました。特区において、国税に関するものは国民の平等権からいって難しい、地域によって差を設けるということは国税として適当ではないと言わざるを得ないと、中抜きしましたけれども、このような答えをいただきました。ということは、特区において配偶者控除とか特別控除廃止に関する試しはできない、しにくいということですね。
 ですけれども、もう一度考えていただきたいということです。この配偶者控除と配偶者特別控除は、これは先ほど財務省の加藤治彦審議官がおっしゃったような国民の平等権からいって平等ではないということです。なぜなら、フルタイムで働いている妻を持つ男性はこの配偶者控除を受けられないわけですね。それからまた、その制度内にいる女性も専業主婦で働いている人と働いていない人がいて、働いていない専業主婦の夫は控除を受けられるけれども、百三十万円以内で、働いている人は控除を受けられないという、またその制度内でもいろんな差別が生じているわけですね。ここで税制をすっきりさせていただきたいと私は思っています。
 私の考えとしては、一九八六年に男女雇用機会均等法が施行されたその時点で、この配偶者控除と配偶者特別控除は廃止の方向に向かって進むべきだったと思います。もしその方向に向かって進んでいたら、十六年後の今はもう少し解放されて、女性が活性化されている日本になっていたと思います。この責任は一体だれにあったんでしょうか。官僚ですか、政治ですか。
 私は、この機会均等法が施行された時点で官僚の方たちがどんなふうにお考えになっていたのか、お答え願いたいと思います。財務省の加藤審議官、よろしくお願いいたします。加藤さんではなくて……



○委員長(小川敏夫君)

 財務省は田中政務官ですか。


○田嶋陽子君

 失礼しました。よろしくお願いします。


○大臣政務官(田中和徳君)

 お答えをいたします。今日は加藤審議官は来ておりませんので、田中和徳大臣政務官、答弁を申し上げます。
 男女共同参画社会、今はもう議論の余地のないそういう社会が到来しておりますし、またそのことをやはり政府挙げて取り組んでいかなければならないわけでございます。
 ですから、一九八六年という御指摘がありました。今の考え方についての責任というのは、これはいろいろと考え方、受け止め方があると思いますけれども、やはりうまくいっていないところは、当然のことながら、私たちが今後政治の中にあってそれを促進をするために、推進をするために努めていくということが私は責任を果たしていくことだと、このように認識をしております。
 これは政府全体のことでありまして、決して財務省という一省の問題ではなかろうと、このようにも思っておるところでございます。


○田嶋陽子君

 それでは、一九八六年以降、段階的にこの二つの控除を廃止しなかったということは、官僚と政治家、両方の責任というふうに受け止めました。
 ということは、早速にこの件は、もし特区というところでやるのが不都合であるならば、私は、これは即刻全国展開してくださるように配慮してくださるように、そこに力を出していただきたいと鴻池大臣にお願いしたいんですが、その点についてはいかがでしょうか。


○国務大臣(鴻池祥肇君)

 ただいま大臣政務官の御答弁、正に私もそのように思っております。
 委員おっしゃいましたように、特区になじめない御提案でございます。政治家として御意見を拝聴させていただき、私なりに解釈をしながら、政治家として時あるところにお話をしたいと、このように思っております。


○田嶋陽子君

 十二月になってから、固い自民党ですら男女共同参画の立場から配偶者特別控除は廃止した方がいいんではないかという意見になってきました。それは大変喜ばしいことだと思います。
 私も去年から、決算委員会や内閣委員会でこのことをしきりに質疑してまいりました。ですけれども、配偶者特別控除だけの廃止ではこれは不十分です。配偶者控除も一緒に近いうちに、二〇〇四年の税制の改革のときに実行していただきたい。それでなければ日本の経済は活性しない。急がば回れだというふうに私は考えています。日本の国民の半分を占める女性の力をもっと信頼して活用する方向に行く。女性一人は専業主婦になれば男一人のために尽くすようになっていますが、その女性たちが国民のために一人の社会人として働けば二・七兆円の税収入があるんですね。女性を一人の人間として扱う制度に早く進めていっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、配偶者特別控除を廃止した場合のその税収入七千億円は、これは企業に回すとか、新聞の報道ではそういう言い方がされています。私は、財務省としてはそういう言い方を報道にさせてはいけないと思います。それから、男女共同参画社会の局長さんもこういう言い方をさせてはいけないと思います。
 前にも言いましたけれども、女性からはぎ取った、あるいは女性を妻として持っている男性からはぎ取ったそのお金は、子育て支援あるいは弱者、今子育てをしている若者たちが弱者なんですね、その人たちは子育てで大変苦しんでいます、その子育てをしている若い夫婦の弱者たちにあらゆる形で回すとか、いわゆる手当で出すというその方針を、ビジョンをはっきり国は出していただきたいと思います。
 その点に関して、男女共同参画局長の坂東さん、どんなふうにお考えでしょうか、あるいはどのような方策を持っておいででしょうか。


○政府参考人(坂東眞理子君)

 配偶者特別控除、配偶者控除につきましては、男女共同参画会議の影響調査専門調査会の方から、男女共同参画の視点から見直す、また負担がそれによって増えることがないように調整をするという言い方で御意見をいただいており、それを専門調査会の大沢会長の方から政府税調の石会長の方に申入れをしていただいておりますが、その後の動きについては担当省庁の方で御検討していただいているというふうに思っております。


○田嶋陽子君


 私は、坂東局長の方から、そのことも担当大臣福田官房長官を通してあらゆるところでこれまでも発言してくださったと思いますが、これからも発言していっていただきたいと思います。
 次に、また皆さんは、何だ、これは特区とは関係ない男と女のことかとおっしゃるかもしれないですけれども、経済を活性するためには、既婚女性の活性化ということ、その人たちの足の鎖を解くということ、それが大事だというふうに私は信念を持っております。
 最近、児童虐待が増えています。児童虐待というのは、多くの場合、母親による、子供を殺すこと、いじめることです。母親がどれだけのストレスを受けているかということ、それから、母親はもう子供に向かわないで、路上で人を刺したり、それから介護している人を殺したり、殺人にまで至るようになりました。
 これは、女が特別ひどくなったんではなくて、たまたま解放され掛かってきた女性の向くエネルギーが、自分を解放するためにうまく働かないでそういう方向に動いているということなんですね。これは急に世の中が変わったことでも何でもありません。その殺すエネルギーを、子供を殺すエネルギー、近所の人を殺すエネルギーを仕事に向けたいと思います。それを仕事に向けていくのが政治だと思うんですね。それが今の日本には欠けていると思います。
 そして、若い女性たちが今結婚しなくて事実婚をしています。その大きな理由の一つが、これが夫婦別姓です。夫婦別姓のことに関して、私はまたこれを特区でやりたいと思います。
 もし特区でこれをやりたいという、そういう応募があった場合に、坂東局長はどのように対応なさいますか。



○政府参考人(坂東眞理子君)

 選択的の夫婦別氏のことをおっしゃっておられると思うんですけれども、その選択的夫婦別氏制度につきましては、今、大変いろいろな立場からの御意見がございまして、政府として検討している最中ということですので、一部の地域、特区で先行的にこの別氏制度を行うということは難しいのではないかなと思います。また、その特区の中でだけそれが認められたといたしましても、それ以外の全国的な部分では認められないということですと、かえって不自由といいますか、不便さが増す、社会生活の上においていろいろなそごを生ずることになるのではないかなというふうに考えております。


○田嶋陽子君

 法務省の原田審議官にお伺いします。
 この夫婦別姓を特区でやるということに関して、もしそういう申出があったとしたらどのように対応なさいますか。


○政府参考人(原田晃治君)

 夫婦別氏制度を特定の地域のみに導入するということにつきましては、二つの観点から検討すべき問題点があろうかと思っております。
 一点は、まず特区制度の基本的な考え方にかかわるものでございますけれども、特区制度というのは、やはり当該地域の特性、それから規制の趣旨、目的に照らして、当該地域についてのみ規制の特例措置を講ずる、この合理性が説明できるということが前提になっていると思われますが、夫婦が同一の氏を称するか別の氏を称するかという問題につきましては、構造改革特区か否かによって区別をすべき地域の特性が存在する問題ではないのではないかと考えております。
 それからもう一つ、特区における特例措置を設けることがこのようにその地域の特性と結び付いているということからいたしますと、特区制度の対象とされる事項は、規制改革による直接的な影響の及ぶ範囲が特区内で完結するということが一応の前提になっていると思われますが、例えば、構造改革区内に本籍を定める夫婦が特区の外に居住する場合というのがございますし、特区以外の地に本籍地を定めている夫婦が特区内に居住するという場合もございます。さらに、本籍地を特区内に定めた夫婦が本籍地とか住所を特区の内から外へ移すという場合もございます。こういうことを考えますと、夫婦別氏という制度を特区制度の中で実現するということについてはやはり基本的に問題があろうかと考えております。
 むしろ、夫婦別氏制度につきましては、特定の地域の住民だけでなく、広く国民にかかわる問題と認識しておりまして、国民一般に平等に適用されるべき制度として全国的に一律に導入するか否かを検討すべき事項であると、このように考えております。


○田嶋陽子君

 それでは、原田審議官にお伺いします。
 全国的に平等にということで、それでは法務省の今後の姿勢を教えてください。どのような考えで、どういう計画で、どういうふうにおやりになりたいとお考えですか。


○政府参考人(原田晃治君)

 これまでの法務省の取組も併せて御紹介いたします。
 選択的な夫婦別氏制度の導入の問題につきましては、法務省としても平成八年に、これは法務大臣の諮問機関でございますが、法制審議会でこれを導入するという方向での答申をいただいております。その答申の内容を踏まえて、少しでも多くの方々に御理解を得られるよう努力を続けてまいりました。しかしながら、なお、これを政府として法案を提出するということにつきましては、国民一般の多くの方の理解を得ることが難しい状況にあると言わざるを得ないというのが現在の状況であると認識しております。
 この問題でございますが……


○委員長(小川敏夫君)

 答弁、簡略にお願いします。田嶋さん、質問時間過ぎております。


○政府参考人(原田晃治君)

 分かりました。
 婚姻制度とか家族の在り方と関連する重要な問題でございますので、国民各層や関係各方面で議論を進めていただき、なるべく早く結論を得たいと、このように考えております。


○委員長(小川敏夫君)

 田嶋さん、簡略にお願いします。


○田嶋陽子君

 時間がなくなってしまいました、四十四分までなんですけれども。
 これは国民全体になじまないんではなくて、自民党の人たちが反対しているんですね。国民は半数以上の人たちが、特に若い人たちはこれに賛成しているんですね。そのことを今日は、途中になってしまいました。それから、自民党の人たちが言っている、夫婦別姓にすると家族が崩壊するという考え方は全く間違っているということも今日申し上げたかったんですが、統計上あるいは社会現象上。ですけれども、時間がなくなって残念ですが、ちょっとここで終わります。また続きます。

田嶋陽子の

「書アート

こもれる日々

      2017615日(木)~621日(水)

    ギャラリー      コンセプト21

 

         (港区北青山3-15-16              TEL03-3406-0466

 

2016年8月~予定

●ZEN展 

2016年

8月22日(月)

     ~29日(月) 

東京都美術館 

ロビー階第一展示室

東京都台東区上野公園8-36

TEL03-3823-6921

開館時間 9:00~17:30 (入館は17:00まで) 

 

●田嶋陽子書アート展

 ギャラリー花の妖精

2016年9月3日(土)

   ~ 9月11日(日) 

 

長野県軽井沢町

発地116-6 

電話0267-48-1273

田嶋陽子歌とトークショ 9/3(土)16時~

●CACA現代

      アート書展 

2016年9月13日(火)

    ~9月18日(日)

アートスペースリビーナ港区北青山3-5-25

表参道ビル4F

 

電話03-3401-2242

What's New

脳ベルshow(BSフジ)

1/20(水)22:00~

1/27(水)22:00~

 

 

田嶋陽子書アート展 & 歌

2016年

6月4日 土~7月24日 日 

笠間日動美術館 

企画展示館1階

茨城県笠間市笠間978-4 電話0296-72-2160

開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで) 

休館日 月曜日

(祝日の場合は開館し、その翌日が休館)

★田嶋陽子歌とトーク 7/2(土)18時~ 

2016年

9月3日 土~9月11日 日

ギャラリー花の妖精

長野県軽井沢町発地116-6 

電話0267-48-1273)

★田嶋陽子歌とトーク 9/3(土)16時~